1000人の声を分析!ウィズコロナに企業が注視すべき消費者の新・欲求とは!?

ダイヤモンド・チェーンストア編集部
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生活様式が一変するなかで消費欲求はどう変わる?

コロナ禍が収束する見通しが立たないなか、人々の生活様式は大きく変容している。そしてそれは一時的な変化ではなく、“ウィズコロナ時代”の到来とともに定着する可能性が高い。消費者ニーズはどのように変化し、消費者の日々の生活を支える食品小売業はいかに彼らを取り込んでいくべきなのか。1000人超の消費者の声を分析した調査レポート「With/Afterコロナに企業が注視すべき消費者の新・欲求 New Normal Planet™」を発表したマーケティング企業・デコム代表取締役社長の大松孝弘氏が解説する。

まったく新しい価値観が生まれたわけではない

デコム代表取締役社長 大松氏
デコム代表取締役社長の大松孝弘氏

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、マスク着用やソーシャルディスタンスの確保といった感染予防対策や、リモートワークの実施など、生活者は日々の行動を大きく変える必要に迫られました。生活スタイルが変われば当然、欲求も変わっていきます。その欲求に小売企業はしっかりと応えなければ、売り手と買い手の間にギャップが生じ、客離れを起こすことになります。

 「ウィズコロナ」「アフターコロナ」という新たな時代を迎えても、生活者の暮らしに寄り添うという小売業の役割は変わりません。そのうえで、消費ニーズの変化を機敏にとらえ、先回りして新たな提案をしていくことが重要なミッションとなります。

 では、コロナ禍で消費者はどのような欲求を抱いているのか、消費行動がどのように変わっていくのか。私が代表を務めるマーケティング会社のデコムでは、それを明らかにするために1005人の生活者の声を収集・分析し、「With/Afterコロナに企業が注視すべき消費者の新・欲求 New Normal Planet™」としてレポートを作成しました。

 本題に入る前に、われわれが大切にしているマーケティング手法についてお話ししておきます。デコムでは、さまざまなリサーチを行うにあたって、「(1人の)人間を見る」という考え方をベースとして持っています。市場調査、競合対策、あるいは専門家からアドバイスを受けることも重要ですが、それだけでは、「口にしないけど求めていること」、つまり消費者の潜在的欲求を見出すことは難しいのです。

 われわれは「n=1に向き合う」とも表現していますが、できるだけたくさんの人々がそれぞれ何を考えているか、求めているかを認識することが大事だと考えています。今回のレポートについても、「n=1005」として俯瞰的に分析するのではなく、「1005個のn=1」に向き合い、そこから潜在的なニーズをあぶりだしたものです。それらをレポート内では最終的に「20の新・欲求」としてまとめました。

 今回の調査を通してわかったのは、コロナによってまったく新しい価値観が生まれたり、“劇的”で“不連続”な出来事が起きたりしたわけではないということです。

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