三井不動産・森永乳業・JR東日本、田町駅西口再開発を着工 森永乳業本社移転・アトレ出店へ

三井不動産(東京都)、森永乳業(東京都)、東日本旅客鉄道(東京都、以下「JR東日本」)は10月1日、田町駅西口駅前地区開発事業を着工し、同日、起工式を実施したと発表した。
事業は二段階で進められ、1期工事として2029年3月末に建物が竣工し、その後、2期工事として2033年度に緑地広場を整備して全体竣工を迎える予定となっている。
開発は田町・三田エリアの基盤整備と街づくりを一体的に進める大規模プロジェクトで、駅前の交通広場は約1,200㎡から約3,000㎡へ拡張される。歩道の拡幅やバス・タクシー乗降場の整備を通じて歩行者ネットワークを改善するほか、国道15号(第一京浜)の交差点をスクランブル化することで安全性を高める。
さらに、滞留空間の拡張により快適性の向上も図られる。2033年には緑地広場が整備され、住民やワーカーの憩いの場が提供される。
JR田町駅構内では、東西自由通路の拡幅や約2,000㎡規模の駅前デッキ広場の拡張が予定されており、通勤時の混雑緩和を図る。さらに、都営地下鉄三田駅と接続する地下バリアフリー動線を新設し、利便性と安全性を高める計画だ。

開発地は「森永プラザビル」跡地を中心とする約0.6haで、延床面積は約9.8万㎡。地上24階・地下2階建て、高さ約125mの複合ビルが建設され、オフィス、商業施設、産業支援施設などを備える。2駅4路線に直結するアクセス性を活かし、田町・三田エリアの新たなランドマークとなることを目指す。
オフィス(6~23階)は1フロア3,090~3,270㎡とエリア最大級の規模を確保し、JR田町駅西口デッキや都営地下鉄三田駅と直結する利便性を備える。一部フロアには森永乳業が本社移転を計画している。
産業支援施設(4階)には、スタートアップ支援拠点を整備する予定だ。全国で50拠点以上のインキュベーション施設を運営するATOMicaをパートナーに迎え、大企業やベンチャーとの交流や事業機会の創出を促す。
商業施設(1~3階)は、JR東日本グループのアトレが運営を予定しており、オフィスワーカーや来街者の日常に寄り添う店舗を展開し、エリアの賑わいを創出する。
防災面では、発災時に帰宅困難者の一時滞在施設として機能し、サイネージによる災害情報の提供や中圧ガス発電による約1週間の電力供給を可能とする。停電・停ガス時でも72時間の電力供給を維持できる体制を整え、入居企業の事業継続計画(BCP)を支援する。
環境面では、非常用発電機と常用発電機を兼ねるコ・ジェネレーションシステムを導入し、電気と熱を効率的に運用する。建物低層部ではパッシブデザインを採用し、半屋外化による換気性向上など省エネルギー性能を高める。事務所用途では「ZEB Ready」認証取得を目指している。
【事業概要】
事業名:田町駅西口駅前地区開発事業
共同開発事業者:三井不動産株式会社、森永乳業株式会社、東日本旅客鉄道株式会社
所在地:東京都港区芝五丁目412番6号(地番)、ほか
区域面積:約0.6ha
敷地面積:約6,615㎡
延床面積:98,570㎡
主要用途:事務所、商業施設、産業支援施設、駐車場等
階数・高さ:地上24階/地下2階、高さ約125m
設計・施工:鹿島建設株式会社
交通アクセス:JR田町駅西口(デッキ直結)、都営浅草線・三田線「三田駅」(地下通路直結)
竣工予定:2029年3月(建物完成・供用開始)、2033年度(全体竣工)






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