利用率が高い減塩商品は醤油と味噌、「減塩塩」には成長の余地
食品を選ぶ際、健康に役立つ機能性や、安全性などの価値に関心を持つ傾向は引き続き高まっている。塩分の摂取量について気にする層も多く、店頭でもそうしたトレンドに合わせた訴求が行われている。こうしたなかで消費者は実際にどのような意向を持ち、購買行動を取っているのだろうか。昨年11月に実施されたアンケート調査から最新の意識を探ってみた。
引き続き高い「減塩」に対する意識
昨年11月に発表された「2023健康と食、栄養に関する調査」は、食品卸売業である国分グループ本社(東京都中央区、代表取締役会長兼CEO:國分勘兵衛)と、AIとリアル管理栄養士のハイブリッドによる健康アドバイスアプリ「カロママ プラス」を運営するWellmira(ウエルミラ)(東京都千代田区、代表取締役CEO:渡辺敏成)が協働で実施した調査だ。
この調査は2015年から毎年実施しており、今回が9回目。生活者が健康や食事、栄養、調理に関してどのようなことを考え、注目し、行動しているかを継続的に調べることにより、食に関わるサービスを提供している立場から、商品やサービスの質を高めていくことを目的としたものだ。
広範な調査項目の中で、「減塩」に関する意識や行動も調査されているので、今回はここに注目していくことにする。
まず「注目している栄養素・栄養成分」について尋ねた質問では、「塩分を減らす」「糖質を減らす」「脂質を減らす」といった摂取量制限系の項目の中でも、減塩に対する意識が引き続き高いことがわかる。逆に積極的に摂取する系の項目では、「食物繊維」や「たんぱく質」という回答が多かった。このほか、「イソフラボン」「ビタミンD」「ビタミンA」「セサミン」「亜鉛」などへの注目度が上がる傾向があるとしている。
40代・50代男性は減塩意識も、実践度合いも低い
続いて「普段の減塩について教えてください」という質問に対しては、「常に実践している」が21%。「意識している」が46%で、「実践も意識もしていない」という回答は33%だった。
全体で見ると男女で大きな差は見られなかったが、男性の40代・50代は「実践も意識もしていない」という回答は突出して多く、減塩に対して無頓着な傾向が見られた。
次に「(減塩について)実際にどのようなことをしていますか」という質問では、「全体的に薄味を心がける」が最も多く、「出汁やお酢などを活用して減塩」が続く(図参照)。
これに続くのが「減塩醤油を使うことで減塩」で、全体で30%を超えており、減塩志向の男女を通じて好まれている。一方、「減塩味噌」や「減塩塩」を使用する割合は相対的に低く、これからまだまだ市場拡大の可能性があるとしている。
また「減塩に取り組むまたは意識するようになったきっかけを教えてください」という質問に対して最も多かった回答は「自分で濃い味や塩分が多い自覚があるため」。ただし男性に限ると「専門家に指摘された」という回答がトップだった。
調査概要
【調 査 名】健康と食、栄養に関する調査
【調 査 時 期 】2023年7月7日~7月16日
【調 査 方 法 】インターネット アンケート調査
【調査対象者】ネット調査会員
ぐるっぱ(食の総合情報サイト)会員
【有効回収数】2860サンプル
売場活性化のためのMD EDITION の新着記事
-
2024/11/23
チーズ市場、24年は価格改定が一巡し需要は回復基調 -
2024/11/12
シチュー市場、秋冬の煮込み料理の定番アレンジメニュー提案でトライアル促進へ -
2024/11/09
卸オリジナル商品市場、トレンドを取り入れた付加価値の高い商品開発が加速 -
2024/10/22
機能性ヨーグルト、24年度上期の市場は厳しい状況、機能訴求で市場回復を図る -
2024/10/22
おせち市場、「おせちのカジュアル化」も追い風に、販売機会の拡大で市場はますます好調! -
2024/10/09
シリアル市場、健康志向を背景に需要拡大 グラノーラ・コーンフレークが好調に推移
この特集の一覧はこちら [151記事]
関連記事ランキング
- 2024-12-06消費者がリピ買いしている商品はこれ! 2024年7~9月リピート率ランキング
- 2024-12-022024年春・夏に発売してヒットした13食品に共通する圧倒的な「信頼感」
- 2024-12-06ニップン「野菜を食べるカレー」がリピート率ランキング1位(※)を獲得
- 2024-11-23チーズ市場、24年は価格改定が一巡し需要は回復基調
- 2024-11-22ラップ&ホイル市場、値上げの影響も少なく、使用シーン拡大で堅調に推移
- 2021-03-25セブン、セコマ、神戸物産・・・オンリーワン商品で無競争状態を作る 食のSPA 化!
- 2024-11-11即席麺市場、秋冬の需要期に向けて各社からこだわりの新商品が続々登場
- 2024-12-03ヘルシー時代の小売重要キーワード「スナッキフィケーション」「ソバーキュリアス」とは何か
- 2024-10-08世界中でプラントベースフード市場が急成長、この10年で約2.5倍に拡大
- 2023-01-21ヤマモリ 三林圭介社長、「ベンチャースピリット」で変革への挑戦を加速する
関連キーワードの記事を探す
シェフの技法を再現した「中華名菜」シリーズ、〈八宝菜〉に厚い支持
スポーツビールにこんにゃくのシャリ、シアル・パリ2024が示す食の多様化とは
シアル・パリ2024が教える!日本食、日本企業が欧州市場で浸透させる方法
卸オリジナル商品市場、トレンドを取り入れた付加価値の高い商品開発が加速
即席麺市場、秋冬の需要期に向けて各社からこだわりの新商品が続々登場