アンケート調査で判明! 食品スーパーのアプリ・ポイントカード活用の現在地

兵藤 雄之
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2024年3月12日~15日の4日間、東京ビッグサイトにて「リテールテックJAPAN 2024 / SECURITY SHOW 2024」(日本経済新聞社主催)が開催され、前年を約1万人上回る来場者(8万954人)で賑わった。その会場内でのリテールテックJAPANセミナーとして、アパレル、ドラッグストア、ホームセンターなどを中心に、リテール関係の顧客とのタッチポイントを構築・運用していくアプリのプラットフォームを開発するメグリ(東京都)のMGReセールス・磯崎幸一氏による「アンケートから見えてきた、チェーンストアアプリと顧客データ活用の今」と題する出展者ワークショップが行われた。

リテールテックJAPAN 2024 / SECURITY SHOW 2024の会場の様子

 ワークショップでは、GMSと食品スーパー(以下、SMと表記)の経営者・マネージャー層・従業員および、地方SMなどでポイントカードを作成したことのある子育て世代(30代・40代)の専業主婦のそれぞれ対象に、同社が独自に実施したインターネット調査の結果をもとに、SMにおけるアプリ運用の現状と課題が示された。

 まず、20店舗以上チェーン展開しているSMを対象に、「ポイントカードなどの会員制度がどの程度運用されているか」を聞いたところ、約8割が「自社会員制度がある」と回答。共通ポイント(楽天ポイントやTポイントなど)のみが9%程度、「していない」というところも10%超あった。「していない」ところはディスカウント系が集中している。

 では、消費者は小売業の会員カードをどう考えているのだろうか。

 30代・40代の専業主婦の7割ほどが「紙/プラスチックなど実物のポイントカードの利用に関して、不便を感じたことがある」と回答。その理由として「財布がかさばってしまう」(92.0%)、「カードの持参忘れでポイントをつけてもらえなかった」(62.7%)が上位にあがっている。この点に関しては会員証をスマホアプリに入れることで解決するのだが、SMなどの場合、物理カードのみの運用になっているところが半数近くあるというのが現状だ。

 またアプリでの運用を行っているところでも、その利用開始にストレスを感じている専業主婦が多いのだという。

 同社の調査では、アプリで利用するにも関わらず、その会員登録のために店舗まで足を運び、申込用紙に記入する必要があるというところが半数を占めるという結果になった。それでも会員登録までたどり着けばよいが、登録手続きが面倒なため「会員登録をやめた」経験がある人が相当数いるということも明らかになっている。

 磯崎氏は「アプリ会員は顧客データ収集の入り口。顧客に気持ちよくデータを提供してもらう環境をつくるには、ストレスなくアプリの会員証をつくってもらうことが重要。そして、そのうえで使い続けてもらうことを、SMの担当者は考えていくべきだ」と語っている。

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