日生協連 藤井喜継 事業担当専務が語る若年層を取り込む新たな施策とは
コロナ禍が収束しても宅配、店舗ともに高い利用水準を維持している生協。しかし生協を取り巻く外部環境は厳しさを増している。これからの成長のために、生協はいかなる手を打っていくのか。全国の生協の連合会である日本生活協同組合連合会(東京都:以下、日本生協連)の藤井喜継代表理事事業担当専務に聞いた。
全国の生協一丸となり節約志向に対応
──全国の地域生協の2022年度の概況について聞かせてください。
藤井 ほぼ前期並みで推移しました。宅配事業供給高(商品売上高に相当)は対前年度比1.1%減の2兆899億円で、前年度実績をやや下回ったものの、対19年度比では13.4%増とコロナ禍以前の水準を大きく上回っています。店舗事業供給高も同0.9%減の9153億円と、ほぼ前年度並みで、対19年度比では2.1%増となっています。
23年1~3月には、相次ぐ値上げにより高まる節約志向に応えるべく、全国の生協で「くらし応援全国キャンペーン」を実施し、プライベートブランド(PB)「コープ商品」を中心に、日常的によく利用されている1077品を期間限定で値下げしました。期間中、対象となった「コープ商品」の供給高は対前年同期比19%増と伸び、供給高にも貢献しています。「全国の生協が一丸となって組合員の生活を応援する」というメッセージは、組合員から大いに共感され、職員のモチベーション向上にもつながりました。23年9月からは、前回よりも対象商品を増やして第2弾を開催し、前回を上回る好評を得ています。
──22年秋以降、食品を中心に値上げが続きました。直近の宅配や店舗の利用動向はいかがですか。
藤井 店舗では、値上げの状況や消費マインドをふまえながら、商品を供給してきました。値上げにともなって買い上げ点数は減少しているものの、1点単価が上昇したことで、利用単価(客単価のこと)が増加しています。客数はほぼ前期並みに維持できたため、結果、店舗の供給高は前年を平均して2%ほど上回っています。一方、宅配では、やや買い控えの傾向がみられます。単価は上昇しているものの、買い上げ点数が減少し、注文単価はほぼ前年並みとなっています。
──コロナ禍を経て新規加入の推進活動はどのように進めていますか。
藤井 生協への新規加入の推進活動はこれまで戸別訪問を中心に展開してきましたが、コロナ禍で十分に展開できず、活動の力がやや脆弱になっていました。
22年度には新たな試みとして、未加入の若年層に向けた
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