「セイコーマートが他のコンビニと競合しなくなった」驚きの理由と戦略とは
コロナ禍を経て、コンビニエンスストア(CVS)各社が地域密着、地域素材の活用といったリージョナル戦略を重視してきた。北海道と埼玉県、茨城県にCVS「セイコーマート」を合計1181店舗(2023年5月末現在)展開するセコマ(赤尾洋昭社長)は、本拠地の北海道で創業時から地域密着路線を追求しながら独自の進化を遂げてきた。大手各社が地域重視を掲げるなかで、むしろセイコーマートの存在感が際立つようになっている。キーワードは「地域の生産者との関係性」と「継続性」だ。
「EDRP」を追求 出店余地が広がる
「最近は、ほかのCVSチェーンと競合しなくなってきた。この2年間で、競争環境は大きく変わったという印象だ」とセコマの赤尾洋昭社長は話す。北海道でCVS出店が激しかった数年前なら、全国系チェーンとセイコーマートの競争は、文字どおり生き馬の目を抜く様相を呈し、各店舗とも(売上を)取ったり取られたりというシーソーゲームを展開していた。それがなぜ、競合が少なくなってきたのか。赤尾社長は、「他社のコンセプトである『プレミアムプライス・ストア』と、当社が追求している『デイリーユース・ストア』の違いをお客さまが理解し、客層が分かれてきたからではないか」と分析する。
同社によればプレミアムプライス・ストアとは、珍しい商品や立派なパッケージの商品を、便利さを付加価値としてプレミアムプライスで販売する志向の業態で、デイリーユース・ストアは日々必要な商品をリーズナブルな価格で販売する志向の業態を指している。セイコーマートは後者のデイリーユース・ストアで、「EDRP」(エブリデー・リーズナブル・プライス)を価格戦略の柱と位置づけており、プレミアムプライスはめざす方向ではないとしている。
その結果、他社CVSとの競合が少なくなり、他社の近くに出店してもお互いに売上への影響がなくなってきているという。
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