大手百貨店9月の売上は苦戦、Jフロント除きマイナス
大手百貨店4社が発表した9月の既存店売上高(速報値)は、改装効果で伸びたJ.フロントリテイリングを除くといずれも前年同月を下回った。宝飾品や絵画・時計、ラグジュアリーブランドなど高額商品は比較的好調だったが、月初めの台風12号の上陸や中旬までの残暑の影響などで秋物衣料が振るわなかった。
J.フロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店は大幅増床した大丸梅田店が78.6%増と大きく伸びたことで2.8%のプラス、地方子会社を含めても1.5%のプラスだった。9月下旬からは秋冬物衣料の動きもいいという。
最大手の三越伊勢丹は1.1%の減少(地方子会社を除く)。伊勢丹新宿本店や増床した三越銀座店はかろうじて前年を上回ったが、三越日本橋本店が4.0%減となるなど振るわなかった。地方子会社10社では仙台三越が13.0%と好調だった。
高島屋は1.6%減、地方子会社を含めると1.8%のマイナスとなったが、「高額品が引き続き好調に推移するなど、消費は底堅く推移している」としている。
エイチ・ツー・オーリテイリング傘下の阪急阪神百貨店は5.4%のマイナス。JR大阪駅北口にオープンしたJR大阪三越伊勢丹や大丸梅田店の大幅増床の影響で、阪急うめだ本店と阪神梅田本店が落ち込んだ。3月開業の博多阪急など新店を含めると3.4%増だった。