リアル店舗との相互送客ねらう三井不動産のライブコマース SC巻き返しの“救世主”となるか?
コロナを契機に急ピッチで立ち上げ
社内でライブコマースの導入検討を開始したのは、2020年5月頃。「それ以前から、新たな販売チャネルとして注目していました」と飯原氏は言う。「ららぽーと全体では約5万人のスタッフが働いているので、そういったスタッフとお客さまとの新しい接点をつくれないか考える中で、ライブコマースも俎上には上がっていました。また、2017年から三井ショッピングパークのECサイト『&mall(アンドモール)』を運営しており、リアル店舗とECサイトのオムニチャネル化の観点からもライブコマースには注目していたのです」。
強く背中を押したのが、やはり2020年初から続く新型コロナウイルス禍の影響だ。1回目の緊急事態宣言によって運営する商業施設のほとんどが休業を余儀なくされたことで、社内の動きが加速。急ピッチで準備を進め、当初計画より前倒しで同年12月、「MEETS SHOP」のローンチにこぎつけた。1回目のライブ配信は12月14日。Instagramで25万人強のフォロワー数を持つなど主婦層に絶大な人気を誇るタレントの藤本美貴さんを起用し、アパレルブランド「AZUL BY MOUSSY」の商品紹介を行った。
「MEETS SHOP」は、三井不動産と、三井ショッピングパークの運営主体である「三井不動産商業マネジメント」の合同チームで運営されている。各ショップから配信希望を募り、撮影スケジュールを調整し、台本の作成や現場進行のフォローも行うが、テナントスタッフの出演が大前提だ。「必ずしも動画撮影に慣れている方ばかりではありません。多くのショップに参加してもらうためにも、丁寧なフォローを心がけています」(同)。
実践!ライブコマースが販売を変える の新着記事
-
2021/06/21
リアル店舗との相互送客ねらう三井不動産のライブコマース SC巻き返しの“救世主”となるか? -
2021/06/07
シップスがライブコマース内製化の先に見据えるPRの新しい形 -
2021/06/04
ビームスがライブコマースのシステムを自前で開発した、重大な理由とは?
この連載の一覧はこちら [3記事]
三井不動産の記事ランキング
- 2020-12-16三井不、「移動商業店舗」のリース事業を試験展開、首都圏のマンションなどで
- 2022-09-22堅調な滑り出しのららぽーと福岡、広域集客の“要”の新規オープンでどう変わる ! ?
関連記事ランキング
- 2024-10-31第101回 今年の新入社員の30年後は「全員管理職」?人口減時代のビジネスとは
- 2024-03-08ストア・オブ・ザ・イヤー2024を発表!今、行くべき店はこの店だ!全42店舗掲載
- 2024-10-17第100回 30年後、社会と商業はどうなっているのか?
- 2024-08-15第96回 ショッピングセンターの売上がいま“なぜか”好調な理由とは
- 2021-10-07ウィズコロナ時代のショッピングセンター経営32 SCが差別化を狙ってはいけない理由
- 2021-12-23イオンモール、東京・八王子に次世代型複合施設、ネットスーパー専用倉庫併設
- 2023-05-29売上トップ級の旗艦店を大改装、アル・プラザ草津の最新売場づくりを徹底解説!
- 2023-12-04第81回 人口動態の変化が、ショッピングセンターを「多機能化」へ向かわせる理由とは
- 2024-04-05第88回 減少、閉鎖続く!2023年度のSC動向まとめと24年以降の展望
- 2024-09-13第98回 百貨店とSC、「インバウンド一色」への懸念とは