トライアルが「日本のシリコンバレー」を福岡に本気でつくりたい理由

永田 洋幸 (Retail AI 代表取締役社長)
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福岡ベイエリアを日本のシリコンバレーに

福岡ベイエリアを日本のシリコンバレーにする。これがわれわれトライアルグループがめざす新たな目標です
福岡ベイエリアを日本のシリコンバレーにする。これがわれわれトライアルグループがめざす新たな目標です

 このようにムスブ宮若での取り組みが日に日に大きくなっているなかで、われわれはより大きなフィールド――「福岡ベイエリア」全体を拠点に、米シリコンバレーのような場所をつくりたいと考えています。

 サンフランシスコのベイエリアに、さまざまな企業がスタンフォード大学との産学連携を図るべく集結し、その結果形成されたのがシリコンバレーです。そう考えると、すでに日本有数の企業が集まるムスブ宮若を起点に福岡ベイエリア全体で、多くの大学や企業とともに産学連携を推進し、さらなるイノベーションにつなげていくということは、決して絵空事にはならないはずです。

 ですからわれわれはこれから、さらに多くの企業に福岡ベイエリアに来ていただき、DXをともに進めていくことをめざしていきます。

「横連携でのDX」のイメージ
「横連携でのDX」のイメージ

 ムスブ宮若の運営を行うなかで得られた大きな財産は、他企業や他団体との連携による新たな知見やそこから誕生する新しいアイデアの数々です。

 トライアルであれば小売に関するデータを、それ以外の企業も自社ならではの知見や経験を持っています。常に変化していく生活者のニーズをとらえるには横連携が不可欠であり、自社のデータだけだと研究や分析に数年数十年と時間がかかってしまうことも、視点の違うデータを参照すれば一気に時間の短縮ができ、最短距離でゴールに向かうことができるかもしれません。何より、そこでしか得られない価値が生まれると確信しています。

 流通業全体、ひいては日本の産業全体を前進させるきっかけとして業種や企業の枠を超えた連携を軸にイノベーションを起こし、それらが最終的には目の前のお客さま一人ひとりにこれまで以上にご満足いただけることにつなげられればと思っています。

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記事執筆者

永田 洋幸 / Retail AI 代表取締役社長

1982年福岡生まれ。米コロラド州立大学を経て、2009年中国・北京にてリテール企業向けコンサルティング会社、2011年米シリコンバレーにてビッグデータ分析会社を起業。2015年にトライアルホールディングスのコーポレートベンチャーに従事し、シード投資や経営支援を実施。2017年より国立大学法人九州大学工学部非常勤講師。2018年に株式会社Retail AIを設立し、現職就任。2020年よりトライアルホールディングス役員を兼任。

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