後発のコストコがEC売上を一気に伸ばせる理由と戦略とは
米国のメンバーシップ・ホールセール・クラブ(会員制倉庫型卸売小売:MWC)、コストコホールセール(Costco Wholesale:以下コストコ)はコロナ禍で業績を順調に伸ばしている。2021年8月期の営業収益は対前期比17.5%増の1959億ドル(22兆1367億円:1ドル=113円で換算)。中でも成長著しいECの売上高は同44%増まで伸長し、さらに伸び続けている。コストコのECが持つ魅力とは、そしてデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略の方向性は何か探ってみたい。
大型商品が好調 コストコECの特徴は?
年会費を支払った会員のみが利用できる会員制モデルによって顧客基盤と収益基盤を構築し、メーカーとの直接取引を通じた大量仕入れとサプライチェーンや店舗オペレーションの効率化によって圧倒的な低価格を実現しているコストコ。2022年8月期第1四半期時点の会員数は6250万世帯で、米国での会員更新率は91.6%と高い水準を示す。店舗数は米国572店、カナダ105店、日本30店を含め、世界12カ国で828店にまで拡大している(21年12月末時点)。商品面では、食品、日用品、衣料品など、幅広いカテゴリーで展開するプライベートブランド(PB)「カークランドシグネチャー(Kirkland Signature)」が好調で、21年8月期のPB売上高は対前期比13.4%増の590億ドル(6兆6670億円)まで伸長した。

さらに、米国、カナダ、日本を含む世界8カ国で運営するECが好調だ。コロナ禍でのECへの需要の急増に伴って21年8月期のEC売上高は同44%増と急拡大し、EC化率は約7%に上昇した。また、22年8月期第1四半期のEC売上高は同14.3%増と前期実績からさらに成長を続けている。
ECにも特徴がある。
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