AI需要予測にネットスーパーシステム… 内製化で進むアクシアルのDX戦略

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アクシアル リテイリング(新潟県/原和彦社長:以下、アクシアル)は新たなテクノロジーの導入と活用において、食品スーパー(SM)を展開する企業の中でもとくに先進的な取り組みを行っていることで知られている。デジタルトランスフォーメーション(DX)推進において、アクシアルの持つ強みとは何か。その姿勢から学ぶべきことは多くありそうだ。

カギは内製化、DXで経営課題を解決

 アクシアルは、小売業向けシステム開発を行う子会社アイテック(新潟県)を2007年に設立、これまで現場で必要とされるさまざまなシステムを内製してきた。さらに19年3月には、新たなテクノロジーを意識した経営を行う必要性から「イノベーション推進部」を新設している。

 デジタル技術を積極的に組織に取り入れようとするアクシアルのDXに対する姿勢は明確だ。「DXの実現自体が目的ではない。実店舗を中心としたチェーンストアをめざすうえで、デジタル技術をグループのビジョンを実現するための機能の1つととらえている」と同社執行役員経営企画部長の小林政信氏は説明する。アクシアルはこれまでも、個々の経営課題のソリューションとしてデジタル技術を導入してきた。

原信の外観
アクシアルグループのSMでは、DXを活用した業務改革が進められている

 例を挙げると、経営課題の1つに発注業務の効率化がある。アクシアルは13年にグロサリーの在庫型物流センターを開設した。それにより各店舗は毎日発注を行い、毎日商品を受け取れるようになったが、裏を返せば各店の発注業務量が格段に増えるというとらえ方もできる。

 この問題を解決するため、発注業務の軽減と補充頻度の削減を目的に統計解析による需要予測型自動発注システムを導入、グロサリーについてはねらいの効果を挙げることができた。一方で

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ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

ダイヤモンド・チェーンストア編集部は、業界をリードする提案型編集方針を掲げ、小売業の未来を読者と共に創造します。私たちは単なるニュース伝達に留まらず、革新的なビジネスモデルやトレンドを積極的に取り上げ、業界全体に先駆けて解説することを使命としています。毎号、経営のトップランナーへの深掘りインタビューを通じて、その思考や戦略を読者に紹介します。新しくオープンする店舗やリニューアルされた店舗の最新情報を、速報性と詳細な分析で提供し、読者が他では得られない洞察を手に入れられるよう努めています。私たちの鋭い市場分析と、現場の細部にわたる観察を通じて、注目すべき店舗運営の秘訣を明らかにします。

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