DX投資がひと段落の米小売 NRF2022で話された「次のステップ」とは?
2022年1月16日から3日間、ニューヨーク市内で全米小売業協会(NRF)の年次総会「ビッグショー(Retail’s Big Show)」が対面のみで開催された。オミクロン株流行のピーク中だったこともあり、19年には4万人近かった参加者数も今年は1万5000人と発表されたが、実際の来場者数はもっと少なかったようだ。エキスポ会場は出展企業のキャンセルも目立ち、どこもひっそりとした様子だった。しかし初日の基調講演には大ホールが7~8割埋まるほどの参加者が集まり、アフターコロナの方向性を見極めたいという期待が感じられた。今回は、コロナ禍3年目を迎える今年の小売環境についての見通しとサプライチェーン改革、小売としてのDEI(多様性・公平性・包括性)の追求についてレポートする。
22年の小売環境予測、迅速さがより重要に
コロナ禍3年目に入る2022年は、昨年に引き続きインフレ、サプライチェーン問題、労働力不足が経営の重石になる。自動車、ガソリン販売を除いた小売市場規模はすでに4兆ドルを超えるが、その成長率は大きく下がりそうだ。
フィッチレーティングによると21年の成長率予測は対前年比で11%であるのに対し、22年は0%またはややマイナス(いずれも、自動車および部品、ガソリン販売を除く)とみられている。22年のEC売上成長率予測は同14%で、20年の31.8%、21年の16.2%からスローダウンするが、店舗売上構成比は24年には全体の72%と予測されている。つまり2年後にEC売上は小売売上全体の3割に近づくことになる。
NRF会長の座を21年度まで務めた元キュレートリテール(Qurate Retail)社のマイク・ジョージCEOは「顧客はフィジカルとデジタルの間でよりシームレスに統合されたショッピング経験を求めている」と述べているが、小売業界では
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