大阪で着々と広がる店舗網、「ロピア藤井寺店」の売場を解説!

矢野清嗣
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ロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)は大阪府藤井寺市の近鉄南大阪線「藤井寺駅」前にある商業ビル「ソリヤ」の2階に「ロピア藤井寺店」(以下、藤井寺店)を昨年11月10日にオープンした。大阪府では6店目になる。同店はどのような売場づくりをしているのだろうか。
調査日=2023年11月29、30日、12月1日 ※本文中の価格はすべて本体価格

駅前の商業ビル「ソリヤ」の2階に出店した

近隣の競合店を意識した品揃え

 藤井寺市は大阪市内から南東に約15㎞の場所にあり、大阪市のベッドタウンとして発展してきた。人口は約6万2000人。人口密度が高く、市内には大小の古墳群があり、葛井寺の門前町としても知られる。

 藤井寺店は関西地区としては15店目となる店舗で、ソリヤ2階にあった「トイザらス」の跡地に居抜き店舗した。競合店としては、藤井寺店から北方向約90mに、2019年9月に改装開店したショッピングセンター(SC)の「イオン藤井寺ショッピングセンター」がある。「ジーユー」「ダイソー」「ニトリ」などの大型専門店と食品専門店、飲食店などで構成。核店舗はダイエーが運営する「イオンフードスタイル」(以下、ダイエー)だ。藤井寺店はこのダイエーとSC内の精肉、鮮魚、青果の生鮮専門店と競合している。

 その中でもとくに存在感が大きいのが鮮魚専門店の「鯛将」だ。調査期間中、鯛将(大阪府/坂井賢社長)はA2の大型チラシを投入し、「数の子大奉仕」と銘打った販促を実施。年末年始の寿司予約と日替わりの目玉商品を投入していた。海鮮寿司や丸物など品揃えに幅があり、価格訴求も徹底されている。

 これに対して藤井寺店の鮮魚売場はコンパクトで、寿司や丸物は“遠慮がち”な印象を受けた。青果もダイエーとSC内の青果専門店「松川」の両店がロピアの価格に合わせている。ロピアも無理はしないが、状況に応じた売場づくりと商品構成で対応している。この柔軟性もロピアの強さの一つである。

 売場面積は約530坪(歩測)とほぼ標準。売場は2階にあり、階段かエスカレーターで上る必要がある。来店客の様子を見ていると階段利用が大半であるようだ。売場はロピアではおなじみの生鮮ゾーン型の配置で、約180坪(歩測)。売場に柱があり、棚配置が多少窮屈になっているが、日配部門は壁面を利用してラインをつくり、買いやすく作業もしやすい配置になっている。

ロピア藤井寺店の売場レイアウト

 売場スペース構成比を見ると、22年11月に開店した「ららぽーと堺店」と比べ生鮮売場が37%で2ポイント、加工食品売場は28%と4ポイント高く、反対に菓子売場は7%と4ポイント圧縮している。

ロピア藤井寺店の売場スペース構成比

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