スーパーマーケットの常識を覆す、大胆なチャレンジが随所に! 「ロピア三田対中店」をレポート

矢野清嗣
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ロピア(神奈川県)は2022年9月に、兵庫県5店舗目となる「ロピア三田対中店」(兵庫県三田市:以下、三田対中店)をオープンした。記事の前編では、同店の生鮮3部門の売場を解説した。後編では、新たなチャレンジが見られた総菜のほか、日配や加工食品、酒類などの売場を見ていこう。

ロピア三田対中店の外観

●総菜 看板商品のピザコーナーを大胆に変更!

 前編に続いて、部門別に売場を見ていこう。総菜は、入口から続く“生鮮ゾーン”内、鮮魚と精肉の間で売場を展開する。

 最大の特徴は、ロピア総菜売場の核商品であるピザを置いてないという点だ。というのも、この三田対中店では、店舗入口のすぐ横に、ピザのテイクアウトコーナーを設けており、店内の総菜売場では既存店でおなじみの箱入りピザを陳列していない。

 テイクアウトコーナーは、「LOPIZZA BUONO」と屋号を掲げ、専門店のような見た目となっている。同コーナーには幅約4尺の窓口があり、購入者は窓口にある券売機でチケットを購入し、焼き立てを受け取ることができる。

新たに導入したピザのテイクアウトコーナー

 取り扱いアイテムは「ポテトベーコンピザ」(550円)などレギュラー商品8種に加えて、キングサイズも8種揃えており、その中には新商品とみられる「ズワイガニのピザ(キングサイズ)」(1580円)の扱いもあった。

 定点観測していると、平日はそれほど待つことなく商品を受け取っていた様子だが、週末は行列ができており、午前中は店頭に最大15人ほどが並んでいた。こうした販売方法は、お客からすれば出来たての商品が購入でき、店舗側としてもロスが最小限になるというメリットがある。看板商品が店内の売場から消えるのは痛いが、それでも利益を確保できるという判断なのだろうか。

 店内の総菜売場を見ていくと、壁面24尺のスペースで「ロコモコ丼」(398円)、「肉味噌キンバ5切」(498円)、「キングオブバーガー」(999円)などユニークな商品を揃える。18尺の平台では、前面で「国産鶏もも唐揚(中)」(100g178円)、「焼売」(6個250円)、「キャベツメンチカツ」(5個450円)など販売。背面は同じく18尺の冷蔵ケースで「ファミリーサラダ(シーフード)」(850円)、「超カクテルシュリンプ」(1580円)などサラダ類を揃えていた。

店内総菜売場で販売していた「五目巻き」(498円)

 核商品であるピザがないため、売場の雰囲気は既存店とは異なり、やや活気が足りないようにも感じるが、落ち着いて買物ができるようになったのかもしれない。こうした大胆なチャレンジを実行できるのもロピアの強さの1つだ。

●日配・冷凍食品 大容量商品が充実!

 日配は店舗奥側の壁面32尺のスペースで乳製品、48尺で和日配、右側の壁面60尺でチルド飲料、チルド飲料の対面52尺でヨーグルト、デザート」を配置する。和日配、洋日配ともに既存店のスタイルを踏襲した堅実な商品構成であるようだ。

 冷凍食品・アイスクリームは売場中央4レーンで売場を展開する。冷凍食品は2022年7月に開店した「和泉中央ビバホーム店」(大阪府和泉市)の売場をよりコンパクトにしたスタイルで、中央に配置した48尺の冷凍平台2レーンでは自社オリジナル商品と業務用の大容量商品を扱う。

 正面から見て左側、加工食品売場側のサイドは、傘下のユーラスの輸入商品をベースとした構成で、「今川焼」(10個399円)や「エッグタルト」(10個599円)などロピアオリジナル商品を販売。「村田実商店・もちもちクリンクルホワイト8個」(799円)、「花畑牧場・十勝カタラーナ~濃厚焼きプリン~」(999円)のほか、ユーラスの冷凍野菜15品目の扱いもある。

 洋日配側の右サイドでは、傘下の利恵産業の付加価値型の冷凍総菜「ラクゴチ」シリーズ10品目を扱うほか、ユーラスの「大粒かきフライ」(499円)、「味の素冷凍食品・旨辛ささみスティック1kg」(999円)などを販売。単価500円以上の商品が多いが、よく売れているようだ。

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