サンエーPARCOを迎え撃つイオンモール沖縄ライカム 食品売場レポート
店内の植物工場で栽培した野菜をサラダとして販売
イオンスタイルライカム店独自の取り組みとして、とくに注目したいのが館内に植物工場を設置している点だ。周知のとおり、沖縄県は台風が多く夏場は十分な量の農作物を確保するのが難しい。そのため、イオンスタイルライカム店では商品の安定供給をめざし、食品売場内にあるカフェテラスそばの植物工場でベビーリーフなど葉物の野菜を栽培。パック詰めしたサラダとして店内の青果売場で販売している。イオンスタイルライカム店のほか、「イオン那覇店」(沖縄県那覇市)にも商品を供給しており、週に約800~900パック生産している。
食品売場では、各カテゴリーで沖縄県産の地元商品を販売しているのも特徴だ。その割合は時期にもよるが食品全体の約2~3割を占めている。精肉売場では県産の「山原(やんばる)若鶏」、総菜では沖縄名物のサーターアンダギーやタコライス、アイスでは沖縄県民に人気が高いブルーシールの商品を販売するなど、売場各所に地元商品が差し込まれている。
20年中には新たなデリカセンターが稼働予定
イオン琉球は店内作業の軽減を図るためプロセスセンター(PC)を積極的に活用しており、アウトパック比率向上に努めている。イオンスタイルライカム店では、鶏肉の約9割がPCから供給されているとのことだ。総菜でもPCでの製造に注力しており、現在沖縄本島南部に2カ所あるデリカセンターに加え、20年中にはイオンスタイルライカム店のある本島中部でも新たに1カ所稼働させる予定となっている。イオン琉球は地元商品の強化などによる地域密着と並行し、店舗作業を効率化する体制の構築も進めているようだ。
「ダイヤモンド・チェーンストア」2020年2月1日号では、サンエー浦添西海岸PARCO CITYとイオンモール沖縄ライカムの詳細をレポート。両施設の食品売場のほか、ショッピングモール全体の戦略についても掲載します。お楽しみに!