百貨店の婦人服売場で異変!?高島屋がジュンとのコラボショップを立ち上げた理由
百貨店の枠にとらわれない店舗の可能性を模索
百貨店とアパレルブランドとの、立場や業態を超えたコラボに対する業界の関心も高く、「他のアパレルブランドからも協業の話を頂くようになった」と嶋廻氏。また、「モア サロン エ ロぺ」の他店舗への展開も「大型改装が必要なところもあるので、そのタイミングを見て判断する」と含みを持たせる。
その一方で、婦人服のMDを統括する嶋廻氏は、「大きな考え方として、婦人ファッションが急激に人気を回復することは難しいと思っている」と現状に対するシビアな評価を口にする。
「かつてはこの売場面積の中に旬のブランドをいくつ積み込めるかがバイヤーとしての腕の見せどころだった。しかし、SCはさらに大規模な面積でより多くのブランドを、より高速で回している。同じやり方を続けていても百貨店がアゲインストな状況は変わらない」
そのような危機感を抱いているからこそ、「『また高島屋に来たい』と思っていただけるフロアづくり、売場づくりをしていくのが今後の私たちの重要な仕事になる」と嶋廻氏は言葉に力を込める。それだけに「モア サロン エ ロぺ」に賭ける思いは強く、今後は既存の百貨店の枠組みにとらわれない自由な店舗運営も構想する。
「週替わり、月替わりで店舗の顔が変わる、そんな店づくりをしていきたい。花のアレンジメントやヨガのワークショップといった体験型のイベントや、DJブースを設けてもいい。さまざまな仕掛けを行いながら店舗の、ひいては婦人服売場の可能性をジュンと一緒に広げていきたい」