都市部立地にプロ向け小型店をオープン!カジュアルウエア、安全関連商品も強化

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア)、森本 守人 (サテライトスコープ代表)
Pocket

計画比3割増と好調に推移

 2階には、作業衣料や電設資材、水道用品の売場を設ける。「購買頻度の高い商品群は1階、2階には目的来店性の高いカテゴリーを上げた。じっくり時間をかけ、選んでもらえる買物環境を意識した」(八坂マネージャー)。

 2階すぐの場所にある作業衣料売場では、トレンドとなっているデザイン性の高いカジュアルな衣料、またアンダーウエアも多く扱う。隣接する壁際の安全靴売場では、カラフルでファッション性の高い商品を豊富に陳列。また女性向けシューズもコーナーを設けるなど、選択しやすい売場づくりを行っていた。

 近年、作業の安全性や危険防止といった観点が重視されつつあるのを受け、関連商品を強化。飛散物から目を防御するメガネのほか、高所作業時の落下から身を守る安全帯といったカテゴリー、商品群については、とくに売場を拡大していた。

カラフルでファッション性の高い商品
安全靴売場では、カラフルでファッション性の高い商品を豊富に陳列。また女性向けシューズもコーナーを設けるなど、選択しやすい売場づくりを行っていた
安全関連商品
安全関連商品を強化している。写真は、落下から作業者を守る安全帯

 2階の奥には、電設資材、また水道用品の売場がある。いずれも需要の高いカテゴリーであるため、この配置には反対意見もあったが、最終的に現状の位置に落ち着いた。1階からこれらの売場の表示が見えるようにしたこともあり、来店客は迷うことなく売場を利用しているという。

 

売場
2階奥の場所に電設関連の売場を配置。目的来店性の高い売場であるため、来店客は迷うことなく利用しているという

 品揃え、売場づくりの取り組みの一方、都市部フォーマットとして、効率的な店舗運営も工夫する。1つはレジの集中化である。これまで出した2層の店舗では1、2階ともにレジを設けていたが、本庄西店では入口すぐの場所に集約することで精算にかかる人時を低減している。

 売場では頻度品についてはフェースを広げて陳列、補充頻度を最低限に抑えている。また積込作業が発生する木材などの資材は扱っていない。これらの取り組みにより本庄西店はオープン後、好調だ。直近までの売上実績は計画比3割増の水準で推移している。同店の森慎治店長は「ワーク&ツールのフラッグシップ店となれるよう、お客さまの満足度を高める店舗運営に努力したい」と話す。

 コーナン商事では、このプロ向けフォーマットに磨きをかける方針で八坂マネージャーは「100~200坪といったさらにコンパクトなサイズにもチャレンジ、ドミナント強化に活用していきたい」と話している。

 今後、都市部ではコーナン商事のプロ向け小型店の存在感が増すかもしれない。

1 2

記事執筆者

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

ダイヤモンド・チェーンストア編集部は、業界をリードする提案型編集方針を掲げ、小売業の未来を読者と共に創造します。私たちは単なるニュース伝達に留まらず、革新的なビジネスモデルやトレンドを積極的に取り上げ、業界全体に先駆けて解説することを使命としています。毎号、経営のトップランナーへの深掘りインタビューを通じて、その思考や戦略を読者に紹介します。新しくオープンする店舗やリニューアルされた店舗の最新情報を、速報性と詳細な分析で提供し、読者が他では得られない洞察を手に入れられるよう努めています。私たちの鋭い市場分析と、現場の細部にわたる観察を通じて、注目すべき店舗運営の秘訣を明らかにします。

ダイヤモンド・チェーンストア編集部紹介サイトへ

記事執筆者

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態