食用油市場、汎用油やオリーブオイルが苦戦、24年度の食用油市場は踊り場へ
2年連続不作のスペイン産オリーブ
25年の生産量は回復の見込み
家庭に必須な調味料として定着しているごま油は金額ベースで同7%増、物量ベースで同2%減となった。そのうち純正ごま油は金額ベースで同4%増、物量ベースで同5%減、手頃な価格の調合ごま油は金額ベースで同14%増、物量ベースで同4%増と好調に推移した。
ごま油は家庭での保有率も高く、料理に欠かせない油だが、値上げの影響で純正ごま油から調合ごま油へシフトしたようだ。
オリーブオイルは、金額ベースで同9%増、物量ベースで同27%減となった。主要原産国であるスペインでの2年連続の不作によりオリーブが高騰し、各社では22年から複数回、値上げを行った。25年はスペインの生産量が回復する見込みで、今後は店頭価格にも反映されそうだ。
一方、イタリアは裏年にあたるため不作で、相場の下落は限定的なので、今年のオリーブオイルは産地によって価格差が生まれることが予想される。価格だけでなく、産地による風味や味わいのちがいなどもオリーブオイルの魅力となっているため、価格一辺倒にならずユーザーニーズに対応した品揃えが求められる。
しそ・えごま油やアマニ油、MCTオイルなどのサプリ的オイルは金額ベースで同15%増、物量ベースで同12%増。そのなかで伸びているのがアマニ油で、金額ベースで同44%増、物量ベースで同42%増となった。
昨年5月にテレビの情報番組でアマニ油の健康効果が取り上げられたことで需要が一気に高まり、一時は店頭から商品が消えるほどの人気となった。その後も大きく落とすことなく堅調に推移している。今回で3度目のブームとなるアマニ油は、今後の市場定着が期待されている。
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