食品MD が大きく進化!杏林堂最新の島田駅南店の売場づくりを徹底分析!
静岡県を本拠とする杏林堂薬局(小河路直孝社長)は、テナント導入による生鮮フルライン型フォーマットを展開するドラッグストア(DgS)の先駆者的存在として知られる。フード&ドラッグが全国各地で存在感を高めるなか、同社の食品MDはどのように進化しているのか。最新店舗である「杏林堂ドラッグストア島田駅南店」(以下、島田駅南店)の売場を調査した。
調査日:2023年11月3日、価格はすべて税抜
約300坪の食品売場を備える最新店舗
静岡県中部に位置する島田市。その中心部にあるJR東海道本線「島田」駅の南側すぐの場所に今年9月12日、島田駅南店がオープンした。駅北側にある「島田稲荷店」に続き、市内2店舗目となる。
売場面積は約700坪、うち食品売場が約300坪(いずれも歩測)を占める。部門別スペース構成比は生鮮・総菜・インストアベーカリーで21%、日配10%、冷凍食品・アイスクリーム13%の計44%。生鮮の比率があと3~5%高ければ食品スーパー(SM)と遜色ない構成になる。そのほか加工食品は30%、菓子は19%で、とくに菓子のスペース比率の高さは杏林堂の特徴といえるだろう。
売場配置(レイアウト図参照)はDgSゾーンから始まり、壁面沿いに化粧品、ヘアケア用品、紙製品、洗剤と続く。売場後方で食品ゾーンに切り替わり、日配、青果、鮮魚、精肉、総菜、インストアベーカリーの順に展開する。売場中央部はDgSゾーンはベビー用品、ペット用品、衛生用品、日用雑貨を配置、食品ゾーンは加工食品、菓子、冷凍食品・アイスクリームをかなりのスペースを割いて展開している。
筆者は久々に杏林堂の店舗を訪れたが、食品の商品政策(MD)については“熟度”が増している印象を受けた。フード&ドラッグのパイオニアならではの、ほかのDgSの食品売場とは一線を画した、「杏林堂としての強み」が明確な売場づくりが徹底されている。
日配・冷凍食品は明確な“テーマ性”が光る
食品売場を詳しく見ていこう。