行動データで判明!生鮮強化型とそうでないフード&ドラッグで使われ方はどう違うか?

解説:内山 麻紀子(unerry)
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食品の販売を強化し成長するフード&ドラッグ業態。こうしたドラッグストア(DgS)企業のなかでも、生鮮の販売に乗り出す企業と、そうでない企業が存在する。それぞれの企業に消費者の特性や利用傾向に違いはあるのか。消費者の行動データをもとに調査した。

生鮮強化型のリピーターに多いのは60代以上・女性

クリエイトSDあきる野秋川店外観

 unerry(ウネリー:東京都/内山英俊社長)は、独自のリアル行動ビッグデータプラットフォーム「Beacon Bank(ビーコンバンク)」を運営している。GPSやBeacon技術によってスマホアプリから取得する月間400億件超の人流ビッグデータを蓄積し、AI解析により消費者行動を多面的にとらえることを強みとしている。今回は、「フード&ドラッグ業態の利用頻度が高い消費者の傾向や特徴」「生鮮強化型とそうでないフード&ドラッグ業態で利用傾向に違いはあるか」を明らかにすることを目的に、「BeaconBank」を活用して調査する。

 生鮮強化型として、クリエイトエス・ディー(神奈川県)の「クリエイトSD」、そうでないフード&ドラッグとしてサンドラッグ(東京都)の「サンドラッグ」を対象に設定。両チェーンがドミナント展開する、東京都あきる野市・青梅市・福生市・羽村市で、クリエイトSD5店、サンドラッグ7店を利用したと推定される計2万3960人のデータを分析した(2023年3~5月)。

調査概要

※分析対象の来店者:Beacon Bankで分析対象としたN数
※リピートユーザー:期間中週1回以上のペース(3カ月で14回以上来訪) スポットユーザー:3カ月で13回未満の来訪

調査対象期間: 2023年3月~5月の3カ月間
調査対象の店舗: 東京都あきる野市、青梅市、福生市、羽村市の「クリエイトSD」5店舗、
「サンドラッグ」7店舗
分析対象の来店者: クリエイトSD リピートユーザー:1637 スポットユーザー:4432
サンドラッグリピートユーザー:4260 スポットユーザー:13631

 本調査では、調査期間内の来店回数が14回以上だった人(期間中週1回以上のペース)を「リピートユーザー」、13回未満だった人を「スポットユーザー」と定義し、対象者を分類。リピートユーザーは、来店頻度の高さから、購入頻度の高い食品も買っていると想定する。

 すると、リピートユーザーとスポットユーザーの人数は、サンドラッグが4260人:1万3631人、クリエイトSDが1637人:4432人。それぞれ全体に占めるリピートユーザーの割合は約23%、約27%と、クリエイトSDがやや高い。

 リピートユーザーの属性をみると、両チェーンとも女性が75%超を占めている(図表❶)。年代別では、いずれも「60代以上」が最も多くを占めるが、その割合はクリエイトSD(61.8%)のほうがサンドラッグ(47.9%)よりも大きい(図表❷)。クリエイトSDのリピートユーザーは60代以上の女性が多いと考えられる。これは生鮮強化型だからこその特徴かもしれない。

図表❶各チェーン利用者の性別
単位:%
図表❷各チェーン利用者の年代別構成
単位:%

 一方、スポットユーザーではいずれのチェーンも男性の割合が3割を超え、サンドラッグでは4割近くにのぼる。サンドラッグは、高頻度ではないものの、男性にも比較的多く利用されていることがうかがえる。

サンドラッグはリピーターの過半数が複数店舗を利用

 次に、同一チェーン内で利用している店舗数を調べた。結果、クリエイトSDでは

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