エビ、肉といえば!「万代さえあればいい」と関西人に言わしめるその理由とは
ここまで、食品スーパー(SM)に詳しい専門家の視点で、店舗や売場づくり、商品について分析してきた。では、関西の消費者には、万代はどう映っているのだろうか。本稿では大阪在住・主婦歴40年のSM調査グループ「主婦っとサーベイ」の2人に、新店や注目店の動向を踏まえ、万代について本音で語ってもらった。
調査日:2023年6月9~10日/調査店舗:万代巽北店、巽西店、巽南店(いずれも大阪市)、八尾曙川店(八尾市)、中小阪店(東大阪市)、高槻インター店(高槻市) ※文中の価格は調査日のもの、本体価格
「万代ならお得に買える」巧みな価格政策
大阪をはじめ関西在住の多くの消費者にとって「万代」はなじみの店だ。筆者の周囲からは「万代さえあればいい」との声も聞こえるほど、絶大な信頼を置かれている。万代で日常的に買物をしていたファミリー層の子供が成長し、新たに世帯を構えると当たり前に万代のユーザーとなることも珍しくない。なぜ万代はそれほどまでに支持されているのか、大阪に住む一主婦の視点で、あらためて考察してみたい。
まず、万代の大きな特徴として挙げられるのは、特売日などの特別なイベントがなくとも、つい店舗に足が向いてしまうことだ。万代は店頭販促が強いため、お客は逐一チラシをチェックしなくても「万代に行けば安いものがある」と刷り込まれているのだ。そして、買物では“宝探しの感覚”でお買い得品を見つけることを楽しんでいる。
次に挙げられるのは「底値」の付け方が巧みな点だ。たとえば、訪問日にはドライグロサリーで創味食品「創味の白だし」(398円)やハチ食品「メガ盛りカレー」(108円)などの定番商品、生鮮では養殖ブリ切り身(3切れ465円:写真)に地域一番の底値が付けられていた。主婦が各SMをめぐって値段を比較しているような、日常的に購入する商品をねらって底値を付けているのだ。
しかもこうした商品は安いだけでなく、ボリュームがあり、品質もよいことをお客は知っている。そのため多くのお客は、時間をかけて品定めするというよりは、値段とパッケージを一瞥してすぐに買物カゴに入れていることが多い。
「エビといえば万代」評判の高い鮮魚
万代の売場は16年ほど前にショッピングセンター(SC)のミリオンタウンを展開し始めた頃から、
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