原料調達やブランディング…値上げ時代に勝ち残る!有力スーパーマーケットの商品政策2023!
連携を強化するべく、組織・開発体制に工夫を
本特集ではそんな食品小売企業の直近のMDや商品開発の最前線を知るべく、業界でも先進的な企業の取り組みや商品を取材・調査した。
商品開発の体制強化で注目したいのが、アクシアル リテイリング(新潟県:以下、アクシアル)傘下のSM、原信(同)とナルス(同)だ。原信・ナルスは、生鮮、総菜部門をあえて独立した体制のままにして、競うように即食商品の開発を推進。そのうえで商品部と営業企画部が連携して最終的に顧客にとって利便性の高い売場となるようにコントロールするほか、「新MD推進」担当者が、トレンドを反映したメニューや部門横断型での商品開発を提案する体制をとっている。これにより総菜・ベーカリーで約400品目以上という幅広く、かつ魅力的な品揃えを実現しているのだ。加えて原信・ナルスはグループのプロセスセンター(PC)の活用により値ごろな価格を実現できていることも特筆される点だ。今後はPCの有無や、それをいかに活用できるかといった点も商品の競争力を決める大きな要因となりそうだ。
独自商品で重要な存在となるのがプライベートブランド(PB)商品だ。しかし食品のPBも、昨今はドラッグストアなど異業態の相次ぐ参入により競争が激化している。
こうしたなか、セブン&アイ・ホールディングス(東京都:以下、セブン&アイ)が開発する、国内トップクラスの有力PB「セブンプレミアム」も、22年2月期に初めて売上高が前期実績を下回る事態となった。これを受けて同社は抜本的なPB改革を進めている。具体的には取引先、またグループ各社との連携強化によって、商品の価格競争力と付加価値を高めようとしている。
価格競争力では、グループ各社の担当者で一緒に取引先を訪問し、原料調達や販促など共通化できる部分を模索し、これまで以上に連携をとっている。
付加価値の向上では、PBの品目数を約500品目減の約3500品目まで絞り込み、そのぶん1品1品の価値を磨き、単品当たりの売上増をめざす。取引先とは、専門的な商品知識を持つ研究開発担当者とも直接対話を図り、セブン&アイだからこそ実現できる高度な技術・製造ノウハウを生かした商品開発を追求している。
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