食品ロス削減プログラム「もぐもぐチャレンジ」が、全国のスーパーで広がる理由

植芝 千景 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集者)
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地域とのエンゲージメントにも効果

 もぐもぐチャレンジ導入のメリットは廃棄ロスの削減だけではない。食品ロス削減に貢献しているという企業自体のイメージアップにもつながるほか、子ども食堂やフードバンクなどの団体への寄付を通じて地域とのコミュニケーションができるという。穐津氏は、「導入店舗では地域とのエンゲージメントに効果が出ており、それも各SMさんから評価されている一つの理由ではないか」と話す。

 さらに、アッシェでは地域とSMをつなぐ活動として、プログラムを導入したSMの周辺地域で食育授業を実施している。たとえば、高知県四万十町と連携を結び、町内の小学校12校、保育園11園で食品ロスに関する食育授業・イベントを請け負うほか、教材開発も行っている。

保育園での食育風景
保育園での食育イベント風景

 保育園では食品ロスに関する絵本の読み聞かせなど、小学校では食品ロス削減のためにできる取り組みの発表などを実施し、そのなかで「地域のSMでもぐにぃのシールが貼っている商品を購入すれば、食品ロス削減に自然と貢献できること」も伝えている。

 こうした活動を行った地域のSM店舗では来店客数が増え、もぐもぐチャレンジ実施店の廃棄削減率が改善された。「イベント実施によって効果は出ているという風に考えている」(穐津氏)と、今後も地域活動の場を増やしていく考えを述べた。

もぐもぐチャレンジ

 

店舗オペレーションのマニュアル化も視野に

 今後の課題は、店舗オペレーションのマニュアル化だという。たとえば、消費期限が近くなった商品にシールを貼る最も効果的なタイミングなどを記載する予定だ。

もぐもぐチャレンジ
商品イメージ図

  「もぐもぐチャレンジをブラッシュアップしていき、加盟店が全国に広がっていくことが目標。今年中に加盟店を2倍にしたいと考えている」(穐津氏)。さらにオンラインサイトやSNSを使った販促によって、オリジナルキャラクターのもぐにぃの認知度アップをめざすほか、東京や大阪での人員を強化することで、もぐもぐチャレンジの普及に注力していくとしている。

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記事執筆者

植芝 千景 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集者

同志社大学大学院文学研究科(国文学専攻)修了。関西のグルメ雑誌の編集部に所属後、ダイヤモンド・リテイルメディアに入社。日本酒、特に関西の地酒好き。趣味は、未知のものを食べること。「口に入れてから考える」ことをモットーに、日々さまざまな食べものを味わっている。

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