「2023年秋・冬」新商品、ロングセラーのブラッシュアップやリニューアル品が上位に

文:石山 真紀
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家飲み時間を充実させるRTDやスティルワイン

 コロナ禍以降広まった家飲みの習慣は、昨今の物価上昇による生活防衛意識も影響し、2024年に入った現在も継続している。

 サッポロビールの「濃いめのグレフルサワー」は、グレープフルーツ果汁やグレープフルーツ漬け込み酒を一部使用し、居酒屋で飲む手搾りのグレープフルーツサワーのようなジューシーな果実感が味わえる数量限定のRTD。前回「2023年春・夏新商品ヒットランキング」では、炭酸水で割って飲むタイプのRTS(Ready to Serve)「濃いめのグレフルサワーの素」がその他リキュール部門の1位となっており、グレープフルーツフレーバーの人気の高さがうかがえる。手軽に楽しめるRTDの発売により多くのエントリー層を獲得した同社の「濃いめ」ブランドは、リピーターによるRTDからRTSへの移行も多く見られたようだ。

 国産スティルワイン部門では、メルシャンが展開するロングセラーブランドの新商品「おいしい酸化防止剤無添加赤ワイン 濃厚ストロング」が1位となった。コロナ禍以降、食品や調味料で濃い味わいの商品が数多く発売されており、ワインでも「濃い味」ニーズが高まっているが、同品は既存の「おいしい酸化防止剤無添加赤ワイン」と比較し、ポリフェノール量を25%アップさせることでブドウの濃厚さと飲み応えを実現している。

 一方、スパークリングワイン部門ではメルシャンが世界各地のワイナリーとともにつくるワインブランド「メルシャン・ワインズ」から初のスパークリングワインとして発売された「カンティアーモスプマンテ ブリュット」が1位となった。日本のユーザーに合わせた「飲みやすさ」「食事に合う味」に加え、華やかな香りや際立つフレッシュさにこだわっており、〈ブリュット〉は、洋ナシやメロンを思わせるフルーティな香り・さわやかな味わい、〈ロゼ〉は、フレッシュなイチゴやサクランボの香り、ピュアな果実味が楽しめる。

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