ワインのプロが解説する、食品スーパーで差別化を実現するワイン売場のつくり方

著者:山田恭路(BMO代表)
構成:崔 順踊(リテールライター)
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国別? 品種別? ワイン陳列方法を解説!

 「多様性」もワインの魅力の1つだ。ワインの品目数の多さは日本酒をはるかに上回り、売り方もバラエティに富んでいる。たとえば、ワインに詳しくないお客さまを対象にするなら、「赤ワインか白ワインか」「甘口か辛口か」「渋みがあるかないかで」商品を分けたり、ランキング形式に売場展開するのもよいだろう。一方、ワインに詳しいお客さまに向けては、国・地方別に並べるのをおすすめしたい。

 ちなみにワインの陳列は、欧州の食品スーパーでは「国・産地別」が一般的だが、米国では「ブドウの品種別」であることが多い。欧州の食品スーパーが国別にワインを陳列する理由は、エリアによってワインの味の傾向が変わるためだ。たとえば、フランスのボジョレー地区で使われるブドウの品種は「ガメイ」、マコン地区の品種は「シャルドネ」と決まっている。一方、アメリカ・カリフォルニア州では同じワイナリー内で「シャルドネ」「ガメイ」などさまざまな種類のブドウを育てているため、食品スーパーの店頭でも品種別にワインを並べているのである。

 こうした各国の製造方法の違いは、食品スーパーの陳列方法にも影響している。最近は日本国内でもワインの製造場所ではなく生産地の気候やブドウの品種などが重要視されはじめ、有名な産地以外のいわゆる「地ブドウ」も評価されようになっている。

 「特定の料理に合うワイン」の提案も効果的だ。和食や魚介類、鍋など「この料理を食べるなら、このワインがおすすめ」といった訴求である。そのほかだと、生産者を前面に打ち出した販売方法も有効だ。店頭に設置したサイネージで生産者の個性やパーソナリティをアピールすればお客さまの関心を引くことができるだろう。

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