メダカブームをけん引
幼魚用の容量増タイプで需要獲得
キョーリン
メダカ幼魚 ハイパー育成(70g)
選評
メダカの特性に応える「ハイパー」シリーズを充実
今年の観賞魚フードとして年間ヒット商品を受賞したキョーリンの「メダカ幼魚 ハイパー育成(70g)」は、昨年のヒット商品に選ばれた「メダカ幼魚ハイパー育成(28g)」から、容量を増量するかたちで発売されたものだ。
本企画は、既存商品からリニューアルされたり容量やサイズをラインアップされたりした商品も対象としていることもあるが、昨今のメダカ需要の広がりに応えた商品であること、バイヤーアンケートからも高い支持を集めていることから、同ブランドとして2年連続での受賞となった。
飼育のしやすさや、品種改良が続いて美しいメダカが増えたこともあって、メダカブームはコロナ禍でますますおう盛だ。キョーリンは、メダカ用のエサだけでも30アイテム(川魚用含む、2023年1月時点)の商品を展開している。その中で今回の「メダカ幼魚 ハイパー育成」は、幼魚が食べやすく、より生育に適した上位クラスの商品として開発されたものだ。
また、メダカのエサの中で上位クラスになる「ハイパー」シリーズには、今回の幼魚用のほかに、稚魚用、親用、色揚げ用、良消化タイプなど生育段階や生体の状況に応じた多様な商品を揃えている。メダカはすぐに個体が増えることや、成長が早く、こうしたラインアップが充実していることも、ユーザーから支持されている理由だ。
メダカの成長に合わせて、商品を使い分けることができること、さらに、食べやすさ、高い栄養価、粒が水に沈みにくいなどの、キョーリンの持つ商品開発力もあって、ユーザーから高い支持を集めて、ヒット商品となった。
アンケート結果
トップブランドのキョーリン
機能の違いがわかりやすいことも評価
国内の観賞魚飼料販売でトップシェアを誇るキョーリンのブランド認知度は高い。今回の「ブランド力」は、キョーリンが展開する商品の信頼性や安全・安心の要素を評価している。
「新規機能性」について、今回受賞した商品は、既存商品のラインアップのため、正確には容量増が、機能として加わっただけである。しかし、メダカの生育にとって、個体が増えやすいことから増量タイプを望む声は大きく、それに応えた商品だ。さらに、食べやすい、栄養価が高い、拡散高浮上性といった機能。そしてキョーリンの独自技術である、生きた善玉菌「ひかり菌」を配合していることなど。これらは新規とはいえないが、品質の高い商品であることは、評価すべき点である。
アンケートでは、バイヤーから、「機能の違いがわかりやすい」といったコメントが寄せられている。
マーケット&プロダクト
幼魚の生育に適したコンセプト商品の増量タイプ
今回観賞魚フードとして年間ヒット商品となった「メダカ幼魚ハイパー育成( 70g)」は、昨年ヒット商品に選ばれた「メダカ幼魚ハイパー育成(28g)」の後続商品で、増量バージョンとして投入されたもの。内容は同じメダカ用フードで、2年連続の受賞ということになる。
ますます活発化するメダカ飼育ブームの中で、メダカ飼育層は増え、品種改良などで、収益をめざす飼育者も増えている。こうした中で、2021年に発売された28gタイプ「メダカ幼魚ハイパー育成」は、幼魚が食べやすく、より生育に適した上位クラスの商品として開発された。実際に利用してみると、順調にメダカが増え、産卵・孵化(ふか)も起こるため、もっと大容量の商品が欲しい、というニーズが高まり、これに対応するかたちで22年に追加投入されたのが70gタイプということになる。
このフードの大きな特徴であり、ユーザーからの高い評価につながっているのは、なんといっても機能性だ。幼魚の成長を図るうえで必要なさまざまな特徴を備えている。
まず幼魚が一口で食べやすい均一な粒サイズを持ち、効率よく栄養を摂取することができる点や、粒が水に沈みにくい「拡散高浮上性」を持っている点など。水に浮いた状態でないとメダカが食べにくく、沈んでしまったフードは、水質の悪化につながる。
また高カロリー配合で、豊富な栄養成分と高い嗜好(しこう)性を実現。この点も幼魚の急速な成長につながる。
さらに同社の独自技術である、生きた善玉菌「ひかり菌」を配合しており、ひかり菌が幼魚の腸内でエサを消化吸収しやすいかたちに分解。腸内環境を適切に保ち、健康を維持することができるという特徴を持つ。
利用者からの使用実感が、高いリピート率を実現し、販売実績も発売以後、大きく成長している商品だ。
メーカー(担当者)のコメント
高スペックのメダカ用フードはますます需要が高まる
年間ヒット商品に2年連続して選定していただき感謝しています。とくに開発面でさまざまな努力を重ねた商品であるだけに、評価していただけたことは大変うれしいです。
当社のメダカ用フードは、ビギナー向けタイプから、本格志向向けのハイレベル、ビジネスでメダカ飼育を行うプロ向けなど、幅広いラインアップを揃えています。メダカが高値で取引される事例も増え、それに応じてよりよいフードを与えたいというニーズも高まっています。
「メダカ幼魚ハイパー育成」開発のきっかけとなったのは、親メダカ用の上位クラスフード「メダカのエサ 産卵・繁殖用」でした。親メダカの体格や健康状態が産卵数や孵化率に影響するため、より高タンパク、高カロリーのフードとして開発した商品です。しっかりとメダカが育ち、卵を産むことがSNSなどで話題となり、大きく売上を伸ばしました。
このコンセプトに沿って、幼魚向けのフードとして開発するに当たっては、食べやすさにもさまざまな工夫を凝らしています。たとえば小さい粒に多くの栄養分を含んださまざまな原料を満遍なく配合するために、原料をただ粉砕するのではなく、いったん十分にブレンドした原料を小さな粒に加工する工程を採用しています。
今後も独自技術を生かして、ニーズに合った特徴ある商品を提供してきたいと考えています。