美容と医療も含めた総合力が武器、付加価値型の商品開発を強化するイオンペット

ダイヤモンド・ホームセンター編集部
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イオン(千葉県/吉田昭夫社長)グループで、ペット専門店事業を担うイオンペット(千葉県/米津一郎社長)は、業界最大手の売上高を有する。中核のリテール事業に、サロンやホテル、動物病院などのサービスも含めて、総合的にペット関連事業を運営してきた。その強みを生かして、堅調に売上を伸ばしている。

21年に屋号をペテモに統一

 イオンペットの事業は、用品販売などのリテール事業、サロンなどのサービス事業、動物病院事業が中心で、ペット用品販売店193店舗、サロン172店舗、ホテル155店舗、動物病院53院を展開する。店舗の多くはイオングループのショッピングセンター(SC)に入っているため、客層は幅広く、30~50歳代が中心だ。

 同社の前身のペットシティは1998年に設立され、12年にAHBインターナショナルと合併し、新たにイオンペットとしてスタートした。サロンと病院に強い会社と合併したことで、多様な事業領域をカバーできるようになり、大きな強みを得た。生体販売はテナントに委託するが、基本的にペットとの出会いから最後の別れまでに関する事業をトータルに提供している。

イオンペット「PETEMO」
イオンペットは2018年に屋号を「PETEMO」に統一した

 21年には、「PETEMO(ペテモ)」「イオンペット」「ペットシティ」などとばらばらだった屋号を「PETEMO」に統一した。その後、ブランドの認知度も加速度的に高まり、グループ外のSCにも出店の機会が増えた。屋号統一により、店舗の標準化も進み、現在の売場面積は150~180坪程度で、その内訳は物販が全体の8割程度を占め、動物病院が15~20坪、サロンは15坪になる。

 出店は平均すると年間5店舗程度。今期は10店舗弱が目標で、今後5年間は10店前後を目標にし、グループ以外のSCへの出店も前向きに進める。郊外だけでなく、駅前などにも積極的に出店していく。

イオンペットの取締役リテール・商品責任者の新田健一氏
取締役リテール・商品責任者の新田健一氏

 イオンペットの新田健一取締役リテール・商品責任者は、市場動向について、「引き続き成長し今後の見通しも明るい。飼育頭数が減って、市場の伸びは単価アップに支えられているだけと考える人もいるが、健康寿命が伸びて新規飼育頭数が増えれば、そんなに悲観することもない」とみる。

付加価値型の商品開発を強化

 売場づくりでは、より多くの人がペットに出会い、ペットのいる暮らしを想像しやすくするために、基本的に生体のテナントは店頭に配置し、強みとする衣料品も前面に出す。SCへの出店が中心で、売場面積に限りがあるため、生体は犬・猫が中心だが、ペット飼育の入口となりやすい小動物にも取り組み始め、一部の店舗では、ウサギ専門店や鳥専門店なども入れている。

 商品開発にも積極的に取り組む。20年にストアブランド(SB)「ペテモ」を発売し、現在はフードから、がん具、ウエア、用品まで約600SKU強が揃う。ブランドステートメントは「しあわせも、たいへんも、ずっといっしょに」で、価値訴求を重視し、より高品質のものを無理なく続けられる価格設定にする。

「PETEMO」のウエア
ウエアは機能性、デザイン性にこだわった商品を取り揃える

 同社はリテール事業で年間1000万人以上の顧客に接する。今後は、その声を反映し潜在的なニーズを掘り起こして、商品づくりに生かしていく。そのために、「商品開発経験者を募集中で、第二の創業期という覚悟を持って、今後5年間で開発体制、開発力をより強化したい。ナショナルブランド商品の売上も成長させながら、付加価値型商品を入れることで、新しいお客さまの需要を創造したい」(新田氏)という。

イオンペットの執行役員経営戦略室室長の石黒昭一郎氏
執行役員経営戦略室室長の石黒昭一郎氏

 また、4月15 日からは、イオングループの一部の事業会社にもおやつを中心にオリジナル商品の供給をする。「店舗と商品を通じて、ペットならペテモといわれるブランドに育てていき、グループのペット事業をリードしていく」(石黒昭一郎執行役員経営戦略室室長)。さらに、将来的にはグループ以外でもオリジナル商品を販売したいと考えている。

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