2023年のトレンドか?ハードサイダー&シードルの醸造所、専門店が増えている意外な事情

佐藤 良子
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日本では増殖するワイン生産者が起爆剤に

大阪・裏難波にオープンした、ハードサイダーのスタンド酒場「schwa2(シュワシュワ)」。周辺の競合店は40代前後を集客するが、同店は20代〜30代が多数。約20坪で客単価は2000円〜3000円。月商1000万をめざす
大阪・裏難波にオープンした、ハードサイダーのスタンド酒場「schwa2(シュワシュワ)」。周辺の競合立ち飲み店は40代前後を集客するが、同店は20代〜30代が多数。約20坪で客単価は2000円〜3000円。月商1000万をめざす

 日本ではこうした海外の動きを受けて2015年にキリンがハードシードルを発売。リンゴ農家や小規模ワイナリーが追随し、少しずつ生産量が増加した。

 特に国内では2008年に長野県や山梨県でワイン特区が認定され、ワイン生産者が急増したことも背景としてある。2011年、日本のワイナリー軒数は200軒だったが、2021年には400軒を突破している。

 というのも、ワイン生産者がぶどうの栽培からワインという製品になるまでのタイムラグ(例えばぶどうを植えてからワインになるのは4年後。ブドウの有機無農薬栽培にこだわった場合は農薬を使っていた土壌から有機転換期がさらに4年間ある)の間、キャッシュフローをまわすため、地元のリンゴを購入してハードサイダーを作ったり、製品が完成しても順調に売れるまでの収益の柱として製造したりする例があるからだ。

 特にこうした動きはリンゴの生産地である長野県や山梨県、北海道などに多いという。

 これらの理由から製造量が増えて酒屋での取り扱いが増え、小売店や飲食店でもたびたび目にすることが増えたハードサイダー。

 近年、各地でのイベントも増えるなど次第に知名度が上がっていたが2020年3月、とうとう東京・奥渋谷にハードサイダー専門の飲食店「Cidernaut(サイダーノート)」が、2022年5月には大阪・裏難波にハードサイダーのスタンド酒場「schwa2(シュワシュワ)」が誕生。今回は後者に話を聞いた。

 

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