生協が「冷凍食品」の商品開発に最も注力する理由

冷凍食品ジャーナリスト 山本純子
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「声」を生かす開発が商品力になる

 生協のPB「CO・OP商品」の開発で最も重要なポイントは、「組合員の声」である。消費者の声に基づいた開発商品だからこそ、需要をつかみ利用が伸びる。

 今年秋リニューアルされる人気商品、「《とれる》国産野菜の五目あんかけラーメン」(1食/2食)の事例を見てみよう。同品は、2013年開発のロングセラー商品で、2018年には「1/3日分の国産野菜」を使用し「食塩量低減」を実施、供給高が急伸している商品だ。今回のリニューアルは、あんかけタイプの麺料理のためスープの素の中に油脂や増粘剤が入っているが、これが希釈する際にダマになりやすいという声があったことから改良を検討したもの。生協内には、「たとえ1人の声でも、それはどの程度の組合員が抱いている声なのかを調べる」という姿勢がある。リニューアル品は濃縮スープから油脂と増粘剤を除き、麺と具のパーツに移した。これによりスープは溶けやすくなり、さらに魚醤やオイスターソースを加えて味に深みを出す改良も可能になったという。

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