「健康」「独自」が特徴の商品を拡大する近商ストア、21年春夏商戦の取り組みとは
近商ストア(大阪府/上田尚義社長)は、2021年春夏商戦に向け、「健康」「独自」などが特徴の品揃えを強化する。またコロナ禍で消費者の節約志向が強まっていることを受け、購買頻度の高い商品は価格訴求し集客。売場ではPOPを使って情報発信にも取り組み、買い上げ点数、金額の向上をめざす考えだ。
頻度品は定番売場を活性化
── 21年3月期の購買動向、また加工食品や日配品の売上高推移を教えてください。
筑後 当社は現在、本部を置く大阪のほか京都府、奈良県で計37 店舗を展開しています。内訳はレギュラーフォーマット「スーパーマーケットKINSHO」23 店、高質フォーマット「Haves(ハーベス)」14店です。駅前や駅下などの立地が多く、コロナ禍で外出を控える風潮の中、来店客数が1 月度までの累計実績で対前期比97%でした。一方、「巣ごもり需要」で加工食品、日配食品の売上高は同様に6 ~ 7%増と好調に推移しています。
── 具体的にはどのような商品が動いていますか。
筑後 昨年4 月、最初の緊急事態宣言が出された直後は、一般のSMと同様にパスタやホットケーキの粉、カップ麺など備蓄可能で、すぐに食べられる商品がよく売れました。解除後も内食需要は続いており、和風や洋風調味料のほか中華調味料といった商品は好調に推移しています。
私が担当する日配食品は、免疫力の向上も期待できる納豆やヨーグルト、キムチといった発酵食品の動きが顕著であるほか、たんぱく質をはじめ特定の栄養素を摂取する「健康」が特徴の商品が順調です。一方、簡便な冷凍食品は総じて伸長しており、今期の売上高は対前期比6 ~ 7%増で、冷凍野菜など料理でひと手間加える素材系の商品が動いています。また外出を控え、家で少し贅沢を楽しんでいる方が多いため、自分へのご褒美としてプレミアム系の冷凍スイーツも人気があります。
── そうした中、21 年の春夏商戦に向けてはどういった商品政策で臨みますか。
筑後 客数減が続いていますが、チラシで集客する手法は難しくなっています。そこでお客さまに来ていただくため、購買頻度の高い商品を価格訴求し売場の活性化を図ります。商品については需要が拡大する「健康」を充実、また競争が激化する中、当社「独自」のこだわり商品も強化し差別化を図ります。
当社は現在、「マイストア」を重要テーマに掲げています。各種施策を通じ、お客さまが買い物をする際、「近商ストアは私のお店」と最初にイメージしてもらえるような食品スーパーになれるよう努力しています。
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