力士の声が子供に!?世界最大のグミメーカーが日本初のテレビCMを打つ勝算
販売網拡充と商品力強化で販売体制も整備
消費増大に対応する販売網の拡充も着々と進めている。プラザ(旧ソニープラザ)や成城石井、カルディなどの専門店に加え、昨今は卸各社と組んで、いわゆる「流通ルート」を徹底強化。コンビニエンスストアやスーパーマーケットでも売場を確保しており、欲しいけど買える場所があまりないというボトルネックも解消しつつある。
こうした動きに連動し、容量を80gと小さくして価格を178円に抑え、国産品との価格競争力も強化した。さらにパッケージの目立つ部分に、大きめに「合成着色料不使用」のマークをプリント。日本人がナーバスになる部分にもしっかり配慮し、万全を期している。
認知拡大が武器になる商品力と企画力
日本のグミ市場は700億円に迫り、ガムを超える勢いだ。比例するように味や食感の多様化が進み、競争は熾烈になっている。ハリボー製品にはそれでも、日本製品とは一線を画す強みがある。ゴールドベアに代表されるキャラクターや吸血コウモリ、カエルなどの遊び心満載の商品展開だ。こうした企画力・商品力は、見た目ではインスタ映えにつながり、話題性ではツイッターでの拡散力と親和性が高く、昨今同社が注力するSNSでの拡散効果も期待できる。
ポール氏は日本市場の傾向として、「少し酸味がある商品が好まれる。フルーツ味は定番人気で、男性にはコーラ味がとても人気がある。それから新商品はいつも注目度が高い」と分析。こうした独特の嗜好を十分に踏まえ、テレビCMによる認知拡大をにらみながら、日本向けの新商品を随時投入していく。
テレビCMの放映は4月まで。その抜群のインパクトで、愛用者の多い職場やSNS上で話題沸騰となることは必至だ。ちょうどその頃、日本では桜が満開シーズンを迎える。日本市場拡大へ向け、着々とタネをまいてきた同社。そこからどんな花が咲き乱れるのか。春以降のグミ市場で“黄金のクマ”がひと暴れしそうな予感が漂う。