ウィズコロナ時代に求められる鍋には、定番の鍋の簡単さと楽しさが求められる=MD EDITION
娯楽としての食「Joy of Cooking」
「鍋」と組み合わせて検索されているワードからニーズの変化を読み解いていこう。似ているワードだが18年から「鶏団子」が下がり「つくね」「鶏つくね」が上昇している。このワードの違いを知るために各ワードの人気レシピを見比べていく。すると「鶏団子×鍋」の人気レシピ10品のうち9品が既に加熱されたものや鍋の中の写真である。一方「鶏つくね×鍋」の人気レシピは10品のうち4品が加熱前の生の状態の写真で、今まさに鍋に入れようとしているものもある。この違いから鶏つくねは使っている食材はかわらず、食べ方が食卓で家族の前でつくねを鍋に入れて仕上げる形式にかわってきているのではないかと筆者は想像する。
また今年に入り、夏でも検索頻度が高い鍋ワードに「しゃぶしゃぶ鍋」がある。このメニューも食卓で家族が「しゃぶしゃぶ」と調理に参加するメニューである。外出自粛の期間中に卓上で調理を楽しむホットプレート料理が人気になったように(20年5月のホットプレートのSI値*は対前年比224%)、鍋も調理を家族とともに食卓でする行為自体を楽しむ「娯楽化する鍋」が人気になるかも知れない。
※SI値: Search Index : 1000回あたりの検索頻度
鍋が家庭料理をJobからJoyに変換する
ウィズコロナの時代、外食控えで家での食事や料理の頻度が増え、料理の家事負担(jobとしての料理機会)が増しているからこそ、これまで以上に簡便さが求められる。鍋であればカット野菜や餃子などの冷凍食材の活用提案は必須だろう。
一方で食卓に楽しみを求めている人には、鍋の共調理での楽しさの提案が響くだろう。今季の鍋料理がjobとしての料理を、家族のjoyに変換してくれるキーメニューになることを期待したい。
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