シチュー市場、秋冬の煮込み料理の定番、特別感のある新メニューも登場し活性化

文:石山 真紀(フリーライター・売場研究家)
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シチュールウは近年、調理時間の短縮につながるパウダータイプのルウや、ご飯にかけてもおいしいタイプなど、「ホワイトシチュー」「ビーフシチュー」以外のメニューも増えたことで、消費者の選択の幅が広がってきている。

春夏期も売上が伸びシチュールウは好調に推移

 KSP-POSによると、2022年9月から23年8月のシチュールウカテゴリーの期間通算金額PIは対前年同期比5.9%増の1593円、数量PIは同2.5%減の7.56という結果になった。

 一方、レトルトを含む調理済みシチューの金額PIは対前年同期比9.2%減となっており、個食タイプと比較すると原材料費高騰による値上げの影響が少ないルウ商品と大幅な差が生じた。さらに定番売場が近いカレールウ・カレー粉の金額PIも同5.2%増と好調であり、家族全員で食べられるルウタイプ商品の好調さが見て取れる。

シチューイメージ
秋冬の煮込み料理の代表的メニューであるシチューは、カレーと比べると季節の変化や天候等の影響を受けやすいカテゴリーだ(i-stock/zepp1969)

 秋冬の煮込み料理の代表的メニューであるシチューは、カレーと比べると季節の変化や天候等の影響を受けやすいカテゴリーだ。

 月別の数字を見ると、秋冬新商品の立ち上がり時期でありシチューの露出が増える9月から数字が上がりはじめ、寒くなってくる10月から翌年2月までが山場となっている。最も需要が高くなる10~12月と、最も低い夏場の7、8月では、金額PIの値に4~5倍ほどの差が生じるのもこのカテゴリーならではの特徴だ。

 月別の金額PI推移をみると22年9月は前年を下回ったものの、シチュールウカテゴリーのピークである10月から23年1月までは前年を大きく上回る数値で推移している。23年4月から7月も好調に推移しており、22年9月から23年8月までの期間中で、2ケタ増を記録した月は4カ月に上っている。

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