2023 秋・冬 減塩商品市場トレンド、カテゴリーが広がり、コーナー化でトライアルを促進

石山 真紀
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健康・機能性市場トレンド2023秋・冬

健康志向の高まりを受けて性年代を問わずユーザーが拡大している健康・機能系の食品群。今期は「糖質オフ・ゼロ系ビール類」「減塩商品」「機能性表示食品」「たんぱく補給食品」の4つのカテゴリーを取り上げ、トレンドを探る。

減塩商品

【対象商品】加工食品(冷凍水産素材、その他加工水産除く)で商品名に主に以下のキーワードが含まれる商品減塩、塩分カット、塩分控えめ、塩分オフ、塩分薄、塩分少、無塩、食塩不使用

塩 減塩 イメージ
減塩タイプや塩分控えめの食品は、塩分過多を気にする中高年層にとって身近な存在であり、店頭にも多種多様なカテゴリーで展開されている(i-stock/Neustockimages)

70・80代以上の数量構成比が伸長

 減塩タイプや塩分控えめの食品は、塩分過多を気にする中高年層にとって身近な存在であり、店頭にも多種多様なカテゴリーで展開されている。

 KSP-POSによると、2022年9月から 23年8月の減塩・塩分控えめタイプの加工食品市場は、値上げの影響もあって 23年4月以降、前年比100%超が続き金額ベースでは前年を上回ったが、数量ベースでは前年割れとなった【図表1】

【図表1】減塩商品の金額推移(全国)2022年9月~2023年8月 出典:KSP-POS(食品SM)

 同カテゴリーは味噌や醤油といった調味料系を中心に商品項目が多岐にわたっており、今回の調査でも68分類に分散しているが、上位のサブカテゴリーは前回の調査と変わっておらず、「インスタント味噌汁・吸物」、「醤油」、「味噌」の上位3カテゴリーで金額構成比の50%超を占めている。また上位10 カテゴリーのうち5カテゴリーで平均価格上昇率が2ケタ増となっており、値上げの影響は今後も続くと推測される。

 上位10カテゴリーの中ではパイは小さいものの、「納豆」は大きく売上を伸ばしている。納豆の市場全体は金額ベースで前年比102.6%、数量ベースで同 97.8%、平均価格は同104.9%となっているが、減塩タイプの納豆の平均価格上昇率は他カテゴリーより低く、数量ベースでも同130%の月もあり好調な様子が見て取れる。

 【図表2】の減塩商品の年代別数量構成比比較を見てみると食品全体と比べ50代以上の構成比が高い。18年8月から19年7月と比較すると70代、80代以上のシェアが拡大しており、シニア層が同市場を支えていることがわかる。

【図表2】減塩商品の年代別数量構成比比較(2018~19年比較) 出典:KSP-POS(食品SM)

冷凍食品や即席麺など、新たな減塩タイプ商品が登場

 健康志向を背景に、近年はさまざまなカテゴリーで減塩商品が発売。今期は冷凍食品や即席麺といったカテゴリーから減塩タイプの商品が登場している。

 味の素冷凍食品の「白チャーハン」は、直火焼豚と卵、白葱といった具材に塩・胡椒や醤油をベースとした正統派な味つけで、独自の減塩技術により塩分を 40%カットした冷凍チャーハン。またサンヨー食品はロングセラーの袋麺「サッポロ一番」シリーズから塩分を25%カットした減塩タイプの商品を発売している。

サンヨー食品の袋麺「サッポロ一番」と味の素冷凍食品の「白チャーハン」

 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、食塩は摂取量の減少をめざすものと位置づけられており、成人の1日当たりの目標量は、男性が7.5g未満、女性では6.5g未満と設定されている。日本では未受診者も含めて1/3が高血圧といわれており、“塩分の過剰摂取”を防ぐため、減塩などの食事の改善に取り組んでいる生活者は多い。

 減塩タイプというと調味料のイメージが強いが、高血圧対策や薄味を求めるニーズが増加していることもあり、近年はチャーハンやラーメンといった主食系の商品も発売されバリエーションが広がっている。店頭でも減塩商品のコーナー化であらためて訴求し、トライアルの促進につなげていきたい。

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