『夏至カレー』からみる販促プロモーションの成功事例
夏至カレーの販売プロモーションが成功したポイントとは
今回の施策のポイントは3つある。まず、消費者トレンドを踏まえたテーマ策定だったということだ。すでに「夏至カレー」を認知している消費者がいたことはプロモーションを実施するうえで有利に働く。
また次のポイントは、流通とメーカーの双方に有益なプロモーションだったという点だ。流通にとっては、売上減少の時期に新しいトレンドを発信できるだけでなく、カレーは生鮮を含め買い上げ点数が増える。もちろん、メーカーにとってもメリットは大きい。通常、こうした施策はメーカー主導のケースが多いが、1社のみの提案では実現しにくい。しかし今回は、流通から働きかけたことで、多くのメーカーが賛同・協力し、マネキンも入れるなど売場全体が活性化した。
最後のポイントは、新しいソリューションを取り入れながら売場とウェブを連動させ、統合的なプロモーションとして実施された点だ。
「売場では、ペッパーを導入。双方向のコミュニケーションがとれるように、当社でコンテンツまで制作。足止め効果を高めました。また、集客ツールとしてカレーの匂いを展開し、体験型店舗をめざしました」とプランナーの永野薫氏は話す。一方、オウンドメディアでも「夏至カレー」を訴求し、それを動画化したものをイトーヨーカドー全店の店頭サイネージで発信。合わせて、ネットスーパーのトップバナーでも展開した。
この取り組みにより、カレー・シチュー部門で大森店が全店トップを記録した。来年はさらなる盛り上がりをめざす考えだ。