ロカボで三方よしの社会を実現、スーパーから健康な世の中をつくっていく!=MD EDTION
栄養学上の誤解を解くためにロカボプラスマーク誕生
ロカボプラスマークとは、従来のロカボマークで規定された糖質量の条件に加え、たんぱく質や食物繊維の含有量など、5つの条件のうち1つ以上を満たした商品のみに付与されるもので、21年8月より新基準としてスタートした。これにより、低糖質かつ栄養補給が可能なワンランク上のロカボライフの浸透を図る。ロカボプラスマークの商品を選べば、糖質を抑えながら、不足しがちなたんぱく質や油脂、食物繊維も取れるというわけだ。
この新基準に認定された初の商品が、マツキヨココカラ&カンパニー(千葉県/代表取締役社長 松本清雄)のプライベートブランド「matsukiyo LAB」から展開する「ロカボプラスシリーズ」だ。21年9月より、プロテインビスケット、大豆プロテインチョコ、パスタスナックなど、3カテゴリー全12商品を発売した。これらの商品はすべて管理栄養士が監修している。
「小売業界の方々にロカボプラスマークの存在意義を理解していただくことが先決と考え、マツモトキヨシホールディングスさんのPB商品を認定商品の第1号にしました。最初にメーカーさんの商品にロカボプラスマークを付けてしまうと、『ロカボマークよりもロカボプラスマークの商品が優れているのか?』といった混乱を招きかねません。そこで、まずはドラッグストアの薬剤師さんに理解いただいた上で販売してもらう。そうすることで、小売業の方々の理解も進むことでしょう。メーカーさんによるロカボプラスマーク商品の展開は、そのあとになります。現在、食・楽・健康協会では、ロカボプラスマークの使用に向けてメーカー各社への栄養学に関する勉強会を実施しているところです」(山田氏)。
ロカボライフの実施が小売業の売上拡大に
ロカボライフを提唱する山田氏らがめざすゴールは、おいしく楽しく食べて健康になる社会だ。そして、そんな社会を小売業界とともにつくっていきたいと考えている。
「薬に頼るのではなく、食べることで薬を減らす。食べることで健康になる。それは、ロカボライフを実践すれば可能なことです。糖質の量だけ気にしていれば、肉も魚も油もおなかいっぱい食べていい。言い換えれば、小売業界の方々が肉や魚や油を売ることによって、多くの人が健康になり、医療費削減につながる。しかもそれは、スーパーの売上拡大をもたらします」(山田氏)
売り手も買い手も世の中も幸せになる、三方よしの社会がロカボによって実現できると山田氏は力を込める。だからこそ、小売業の方々には正しい栄養学の知識をもってもらいたい。そう考える食・楽・健康協会は、今年2月に開催されるスーパーマーケット・トレードショー2022に参加。ロカボ商品を紹介するだけでなく、血糖値の無料測定も行い、いま問題視されている食後の高血糖に関する気づきも与えていく考えだ。スーパーから健康な世の中をつくっていく。山田氏らの挑戦は始まったばかりだ。