米菓市場、コロナ禍の家飲み需要定着でおつまみ向け商品が続々

山田 陽美
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米菓の金額PIおよび金額PI対前年推移

スナック感覚で楽しめる米菓で若年層にアプローチ

 米菓のメーンユーザーは50代以上で、若年層の取り込みが課題となっている。亀田製菓では、エビの濃厚さやサクサク食感が特徴の「無限エビ」を昨年2月に新発売。「無限エビ」のおいしさやネーミングなどがSNS上で話題となり、発売からわずか1週間という短期間で出荷100万袋を突破した。また、三幸製菓では、パリッと軽い食感の「パリル」をこの春に新発売。チーズ味とコーン味の2種類が楽しめる。

 一方、栗山米菓では、主力の「ばかうけ」や「ソフトせん」と、人気アニメや話題のデジタルコンテツとのコラボレーションを実施。「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」のほか、「東京リベンジャーズ」や「五等分の花嫁」「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」など、新たなアニメコンテンツとコラボし人気を集めている。アニメとコラボすることで若年層にも手に取ってもらうきっかけとなっている。

 さらに岩塚製菓では、国産米100%使 米菓の金額PIおよび金額PI対前年推移用のシンプルな原材料でつくることにこだわったベビーせんべい「岩塚のおこさませんべい」をリニューアル。ユーザーの声をもとに、味やパッケージなどを改良。「塩分が気になる」という声を反映して、従来の商品よりも塩分量を約1/2に軽減した。また、パッケージもより親しみやすいデザインに仕上げた。同社では「はじめてのベビーせんべい」として品質にこだわった商品を提供している。

環境配慮パッケージや、健康訴求商品が登場

 環境問題が深刻化するなか、各社ではプラスチックトレーの廃止や商品のスリム化などでプラスチックの使用量削減を行っている。亀田製菓では、人と環境に優しいエコパッケージに取り組んでおり、「海苔ピーパック」や「亀田の柿の種」「アラコレ」など、エコパッケージのラインアップを広げている。

 栗山米菓では「健康と環境」をテーマにした商品を展開しており、今年3月には「玄米柿の種」を新発売。国産玄米を100%使用し、玄米の食感が楽しめる香ばしい味わいとなっている。また、環境に配慮して外装に紙素材を採用した。

 トレーなしやスリムパックは環境負荷を低減できるとともに、持ち帰りもかさばらず、ゴミの排出量削減にもつながるため、今後も米菓全体に広がっていきそうだ。

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