大手食品メーカーも注目する完全栄養食市場 国内パイオニア「ベースフード」の戦略とは
完全栄養食のパイオニア、ベースフードの強み
「BASE BREAD」と「BASE Cookies」は、たんぱく質や食物繊維、26種類のビタミン・ミネラルなど1日に必要な約30種類の栄養素が含まれ、1食(BASE BREADは2袋、BASE Cookiesは4袋)で1日に必要な栄養素の1/3の摂取が可能。合成着色料・合成保存料は不使用だ。
同社では、在宅勤務や外出自粛で自宅での食事回数が増えたことによる「エフォートレス自炊(頑張らなくてもよい自炊)」が求められたことに加え、健康意識が高まったことで、手軽に主食から栄養バランスがとれるベースフードがより求められるようになったと分析している。
コロナ前までは、「健康を気遣いたいが、忙しいため自炊の手間は省きたい20~40代のビジネスパーソン」がメーンの顧客だったが、コロナ禍で顧客の幅が増え、筋トレやダイエット中の20~40代の男女、子どもの栄養バランスが気になる母親、生活習慣病が気になり始めた40代、50代男性などの利用も増えているという。
ドラッグストア、コンビニ販売で認知度アップ
ベースフードは自社サイトからのサブスク利用者が中心だが、その認知度アップを図るため、実店舗での販売をスタートさせている。
2020年11月、ドラッグストアチェーンのサンドラッグ「CARER渋谷駅前店」(東京都渋谷区)での「BASE BREAD」シリーズ販売開始を皮切りに、2021年に入ってからは首都圏のファミリーマート、ナチュラルローソン(「BASE Cookies」のみの扱い)で専用の什器を設置した販売へと広げ、この10月には中部・関西地方のファミリーマートでの「BASE BREAD」、および「BASE Cookies」の展開を進めてきている。「ネットでの認知がとれていたこともあり、コンビニやドラッグストアでの売れ行きも好調だ。ECではまとめ買いになるため、1袋単位でも手に取れる場をつくろうと考えた」(同社)。
都内のファミリーマートでベースフードの売場がどうなっているかたびたびチェックしているが、販売開始から数カ月を経過した現在でもしっかり売場が維持されている。このことからも、それなりに売れていることは間違いなさそうだ。また、「コンビニなどオフラインで試した後に、オンラインの継続コース(サブスクモデル)を始めるケースも多い」という。