大手食品メーカーも注目する完全栄養食市場 国内パイオニア「ベースフード」の戦略とは

兵藤 雄之
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味の素と協業、さらなる改良や販売チャネル開拓へ

 ベースフードのビジネスの基本は、D2C(Direct to Consumer)だ。いったん商品化してしまえば、大幅なリニューアルでもない限り原材料や味の変更はめったにすることがない多くの食品メーカーと違い、同社では創業当初から常に、オンラインだけでなくオフラインの場でも顧客の声を聞きながら味の改善やラインアップの追加を繰り返してきた。

 調理不要でそのまま食べられる、「BASE BREAD」のメープル味やシナモン味などは、コロナ禍で、「在宅勤務のデスクワークの合間に、おいしくて体にいいものをさっと食べたい」というニーズに応えたものであるし、21年6月に発売した「BASE Cookies」は「デスクワーク中に罪悪感なく食べられるおやつがほしいというニーズに注目し、糖質控えめで栄養バランスがとれ片手で食べやすくした」ものだ。

 同社は、2020年12月、味の素と協業契約を締結した。味の素の研究開発力による「BASE BREAD」「BASE PASTA」シリーズの改良サポート、開発・販売サポートのほか、両社製品を組み合わせた外食産業への提案等による販売チャネル開拓等を狙いとしているという。「今後については、パスタやパン、クッキーの種類や食べ方のバリエーションを増やしつつ、主食のイノベーションとして、アジアやアメリカなどグローバル展開も視野に入れている」(同社)。

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