ドラッグストア業界のDXの現況は?前編 注目技術のトップは生成AI
新テクノロジーの導入・活用状況(Q❺)としては、「導入済みで活用できている」が1位(52.6%)、「導入予定・検討中」は2位(26.3%)となった。具体的な導入テクノロジーについても質問したところ、「RPA(業務自動化)によるバックオフィス効率化」が1位(24.4%)、「ビッグデータ分析プラットフォーム」と「マーケティングオートメーション(MA)ツール」と「AI・機械学習による需要予測・在庫管理」が同率2(19.5%)となった。バックオフィスの効率化による省人化に拍車がかかる一方で、新テクノロジーがさまざまな分野で活用されていることがうかがえる。店舗作業の負担を軽減しつつも、これまで従業員の経験や勘に頼ることの多かった業務の一部を新テクノロジーに置き換えることで、より的確な経営判断を行うツールとしても活用されているようだ。
DXの取り組みでとくに成果を上げているもの(Q❻)についても自由記述方式で回答を求めたところ、「AIによる需要予測、発注の自動化による作業改善」など、AI活用による成果を挙げる回答が多く見られた。また、MAツールやRPAによる成果を挙げる回答も多く、具体的に導入したテクノロジーの回答ともリンクしているといえよう。
基幹システムのクラウド化やアップグレードの状況(Q❼)については、「基幹システムをクラウドベースに部分的に移行している」が1位(42.1%)、「基幹システムをクラウドベースに完全移行している」が2位(36.8%)となった。加速度的に進められた基幹システムのクラウド化やアップグレードの基盤が整いつつある企業も存在する一方で、「部分的に」「数年内に」といった回答も見られることから、移行に向けたプロジェクトが進行中の企業も多いようだ。一方、基幹システムの変更を予定しない企業もあることから、クラウド化やアップグレードに躊躇している企業も見られるようだ。
デジタル人材の確保・育成に関して、どんな取り組みを行っているか(Q❽)については、「デジタル教育について社内研修・教育プログラムの実施」が1位(34.8%)、「専門人材の新規採用」が2位(26.1%)となった。DX推進の主な課題において、「デジタル人材の不足」が首位であったことからも、デジタル人材の確保・育成は企業にとっても急務のようだ。
サイバーセキュリティ対策について、どんな取り組みを行っているか(Q❾)については、「社員へのセキュリティ教育の実施」と「セキュリティポリシーの策定・更新」が同率で1位(31.7%)となった。サイバー攻撃による顧客情報の流出といったセキュリティリスクへの対応も、不可欠な事項として注力している企業が多いようだ。
今後、注目している技術やソリューション(Q❿)については、「生成AIの活(ChatGPTなど)」が1位(34.9%)となった。生成AIの活用については、今後ますます革新の波が押し寄せることが期待される分野でもあることから、企業からの注目度も高いことがわかる。