「濃いめのレモンサワー」どんどん戦線を広げるサッポロビールの緻密な仕掛け
レモンに次いで「グレフル」も
そして同社は「濃いめ」ブランドのさらなる拡大をめざし、レモンに次いで人気の高いグレープフルーツフレーバーの「濃いめのグレフルサワーの素」を22年10月に発売した。
「濃いめのグレフルサワーの素」は、居酒屋で飲むグレープフルーツサワーのような甘酸っぱさとほのかな苦味が特長のRTS。炭酸水で割るだけで果実感あふれるグレープフルーツサワーが手軽に楽しめる。
同品はジューシーな味わいから若年層や女性の支持が高く、新規ユーザーの取り込みにも貢献。23年3月にはヘビーユーザー向けに「濃いめのグレフルサワーの素ペット1.8ℓ」を発売した。
RTDとRTSの両輪展開で成長を続けてきた「濃いめ」ブランド。ブランド認知が広がり、「濃いめのグレフルサワーの素」についても「手軽に飲めるRTDを出して欲しい」という要望が数多く寄せられたという。この反響を受け、同社は23年10月に数量限定品としてRTD「濃いめのグレフルサワー」の発売に踏み切った。
ジューシーな味わいで女性や若年層を獲得
「濃いめのグレフルサワー」はグレープフルーツ果汁に加え、グレープフルーツ漬け込み酒を一部使用。居酒屋で飲むギュッと手搾りしたようなジューシーな果実感が味わえる。
同商品は、「濃いめのレモンサワー」の好調を背景に、バイヤーからの期待値が非常に高く、数量限定品としては同社過去最大の受注量になったという。
店頭では「濃いめのレモンサワー」および「濃いめのグレフルサワーの素」と連動した売場を展開。「レモンも濃いめ!グレフルも濃いめ!」というキャッチコピーによる販促ツールも準備した。
発売の反響は非常に大きく、多くのトライアル&リピートを獲得。メーンユーザーは「濃いめのレモンサワー」同様40・50代の夫婦だが、若年層や女性ユーザーがレモンサワーよりも多い傾向にあるという。
「濃いめのグレフルサワー」のヒットの要因について、同社では「濃いめ」ブランドへの信頼感やRTSの成功を踏まえたRTDへの期待感に加え、グレープフルーツの果実の特長である「ジューシーな味わい」が求められるグレフルフレーバーにおいて、「濃いめ」というキーワードと合致したことなどを挙げている。
手軽に楽しめるRTDの「濃いめのグレフルサワー」の発売により多くのエントリーを獲得した同ブランドでは、リピーターによるRTDからRTSへの移行も見られている。