イントレピッド・スピリッツ社のリキュール「コカレロ」、一般小売に向けた施策に注力し全国展開へ

2021/04/15 08:00
    ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局
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    Intrepid Spirits 社(アイルランド・ダブリン/ジョン・ラルフCEO)の「COCALERO」は、この数年で急成長している注目のハーブリキュールブランド。同社のジャパンカントリーマネージャーを務める畑 幸男氏に、「COCALERO」の魅力と日本国内でのマーケティング戦略について話をきいた

    Intrepid Spirits 社「コカレロ」
    蒸気蒸留製法によって抽出されたエッセンシャルオイルとともに、朝鮮人参、ジュニパー、アマゾンガラナ、オレンジピール、ジンジャーなど、17種類のボタニカルをブレンドしたハーブリキュール「コカレロ」。透明感のあるグリーンが特長の「コカレロ・クラシコ」と、スパイシーな味わいの「コカレロ・ネグロ」の2種を展開

    17種類のボタニカルをブレンドしたプレミアムハーブリキュール

    Intrepid Spirits社ジャパンカントリーマネージャー畑 幸男氏
    Intrepid Spirits社ジャパンカントリーマネージャー
    畑 幸男氏

     Intrepid Spirits(イントレピッド・スピリッツ)社は2013年にアイルランドで創業されたスピリッツ・リキュールの新興メーカーだ。同社は地域文化に根ざしたブランディングにフォーカスし、伝統的な製法で革新的な商品を次々と開発している。

     現在、アイルランドのダブリンに本社を置き、アムステルダム、サンフランシスコ、上海に支社を構え、20年3月には日本エリアのカントリーマネージャーとして、畑 幸男氏が着任している。

     イントレピッド・スピリッツ社はアイリッシュウイスキーをはじめ、ベルモットやアイリッシュポティーンのオリジナル商品を開発するほか、パートナーブランドのディストリビューターも務めている。数ある商品群の中で、最も成功を収めているブランドが「COCALERO(コカレロ)」だ。「コカレロ」は、南米原産のハーブと文化にインスパイアされたアイルランド産のプレミアムハーブリキュール。蒸気蒸留製法によって抽出したエッセンシャルオイルを使用。このエッセンシャルオイルとともに、朝鮮人参、ジュニパー、アマゾンガラナ、オレンジピール、ジンジャーなど、17種類のボタニカルをブレンドした独自のレシピでつくられている。

    若年層の支持を集め輸入リキュール2位に

     「コカレロ」は日欧米諸国を中心に数多くの国・地域で販売されており、日本ではアイディ商事社を通じて14年より販売を開始した。

     ラインアップは、透明感のあるグリーンが美しい「コカレロ・クラシコ」と、アヒパンカと呼ばれる南米特産のペッパー等を加えたスパイシーなテイストの「コカレロ・ネグロ」の2種。「Discover your RITUAL」をコンセプトとし、ショットはもちろん、ソーダ割りやエナジードリンク割り、カクテルなど、自分好みの飲み方で楽しむことができる。

     特徴的なのが「ボムグラス」という名の独自形状のグラスによる「コカボム」と呼ばれるスタイル。下にエナジードリンクなどの割り材、上の部分に冷やした「コカレロ」を注ぐことで美しいツートーンカラーを楽しむことができる。

     「コカレロ」はオリジナリティのあるフレーバーや飲み方提案に加えて、「ウルトラジャパン」などのイベント協賛やミュージックビデオでの採用、独自のラジオ番組での情報発信といった施策により、インスタグラムをはじめとしたS N S でも「映えるアルコール」として話題性・拡散性が高く、20 代から30代前半の若年層には抜群の知名度を誇る。

     日本国内のマーケットにおいても毎年1万ケース以上の伸びを見せ、ほかのリキュール類が苦戦するなか、発売から数年で輸入リキュール市場で2位まで上昇。19年は17年対比で170%増と、近年稀にみる成功を収めたリキュールブランドとなっている【図表】。

    輸入リキュールブランドのボリューム成長率
    【図表】 輸入リキュールブランドのボリューム成長率
    イントレピッド・スピリッツ社調べ

     これまで主に業務用チャネルで知名度を上げてきた「コカレロ」だが、20年より、家庭用チャネルに本格参入するべく大きく舵を切った。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響で家飲み需要が高まったことも追い風となり、これまで業務用チャネルでコカレロを楽しんでいたファン層が家飲みにシフト。家庭用チャネルやE C での購入が増加傾向にある。カントリーマネージャーを務める畑氏は「家庭用チャネル向け戦略が奏功し、またコロナ禍も一因となり販売数量も大きく伸長した。これにより、業務用と家庭用の売上比率が9対1から7対3となり、年間売上にも貢献している。今後、家庭用流通体制をさらにいっそう強化し、家庭用チャネルにフォーカスしていきたい」と語っている。

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