急成長するハードディスカウンター、アルディ・ノードの最新戦略とは

太田 美和子
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アルディ・ノード
アルディ・ノードなどのディスカウンターは物価高騰を追い風に大きく成長しようとしている

 欧州では日本を大きく上回る物価上昇が続いている。生活者は、購入するブランドを変えたり、店舗を変更したりと生活防衛に懸命だ。そうしたなかであらためて注目したいのが、ハードディスカウンターの動向である。インフレや景気後退のたびに大きく成長したからだ。

 2022年9月、英国の食品小売業界では「ビッグ4」の一角が崩れたとニュースになった。「ビッグ4」とは、テスコ(Tesco)、セインズベリー(Sainsbury’s)、アズダ(Asda)、モリソンズ(Morrisons)という業界大手4社のこと。アルディ・ズード(Aldi Süd)の英国事業であるアルディUKがモリソンズを抜いて第4位に躍り出たのだ。

 市場調査のカンター・ワールドパネルによると、その1年前(21年9月5日までの12週間)にはアルディUKのマーケット・シェアは8.1%。モリソンズが9.8%と1.7ポイント上回っていた。ところが、わずか1年の間に逆転してしまった。同様にリドルUK(Lidl UK)も好調な成長を続けており、ここにきてディスカウンターの勢いがさらに増している。欧州他国でも同様の傾向がみられる。

 本稿では、アルディ・ノード(Aldi Nord)に絞って、欧州での動向を追ってみた。すると、安さを求めて来店する生活者が増えるのを待つ受け身の姿勢ではなく、自ら積極的に新規顧客層を開拓しようとする攻めの姿勢がみえてきた。

今後5年間で約600店を出店へ

 アルディ・ノードは

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