三菱商事の通期純利益、計画比倍の7400億円へ 資源高で過去最高
[東京 5日 ロイター] ―三菱商事は5日、2022年3月期の連結純利益見通し(国際会計基準)を7400億円へ上方修正した。資源価格の上昇が追い風となり、従来予想3800億円から倍近い伸びで、過去最高益を更新する見通し。
上期は鉄鋼が好調だった総合素材、原料炭の上昇を受けた金属資源、前期に計上した三菱自動車関連の損失が一巡した自動車モビリティー、養殖事業が堅調だった食品産業の4部門が最高益を更新。通期でも10部門中8部門が見通しを上方修正し、金属資源と食品が過去最高益に達する計画へ変更した。
会見した増一行CFOは上期業績を「世界的な経済活動の再開に伴う自動車や鮭鱒養殖事業などの需要回復、原料炭や銅、鉄鉱石といった資源価格の上昇など、環境の改善をそれぞれの事業で着実に利益に結びつけた」と評価。通期見通しも「資源価格の下落など下振れリスクを織り込んでおり、一定の耐性を持っている」ものだと説明した。
円安も利益を押し上げた。当初計画から2円弱の円安が進行し、通期で70億円程度の増益要因になったという。