実質消費支出9月は2カ月連続減、外出控えや供給制約などで
[東京 5日 ロイター] – 総務省が5日発表した9月の家計調査によると、2人以上の世帯の実質消費支出は26万5306円となり、物価変動の影響を除いた実質で前年比1.9%減少した。2カ月連続のマイナスとなったが、下落幅は前月から縮小した。
緊急事態宣言による外出控えや、長引く供給制約の影響により自動車販売が低迷したことなどが消費全体を押し下げた。
ロイターの事前予測調査では同3.9%減が予想されていた。
一方、新型コロナウイルス感染者数の減少傾向により、前月比でみると消費は改善した。季節調整済み実質消費支出は前月比5.0%増となり5カ月ぶりのプラスとなった。
総務省の担当者は、緊急事態宣言は解除されたが、10月に入りすぐに外食関係の時短営業や酒類提供の制限などが緩和されたわけではなく、消費が「すぐに持ち直すのは考えにくい」との見解を示した。
前年比で減少に寄与した品目は、飲食代含む外食や国内パック旅行費、自動車購入費など。一方、弁当や冷凍調理食品などは増加に寄与した。
1世帯当たりの消費支出を、コロナ前の2019年9月と比較すると11.6%減少した。ただ、総務省によると2年前は消費税増税前の駆け込み需要があったため注意が必要という。
品目別に2年前と比較すると、引き続き鉄道運賃や航空運賃、宿泊料やパック旅行費などは大きく減少している。