失業率9月は2.8%、3カ月連続で同率 有効求人倍率は1.16倍に上昇
[東京 29日 ロイター] – 総務省が29日発表した9月の完全失業率(季節調整値)は2.8%で、前月から横ばいだった。新型コロナウイルス感染症の影響が出ている状況に変わりはないものの、3カ月連続で同率となっており、雇用状況に落ち着きもみられる。厚生労働省が発表した9月の有効求人倍率(季節調整値)は1.16倍で、前月から上昇した。
労働力調査の期間は9月末。緊急事態宣言が19都道府県、まん延防止等重点措置が8県と、全国の広い地域で公衆衛生上の措置がとられていた。
男女別の完全失業率(季節調整値)では、男性が2.9%と前月から0.2ポイント低下。女性は2.6%と前月に比べ0.1ポイント上昇した。
就業者数(実数)は6679万人で、前年同月に比べて10万人減少した。6カ月ぶりの減少。産業別では「情報通信業」と「医療、福祉」がいずれも前月から20万人増加した。一方、「宿泊業、飲食サービス業」が同34万人、「生活関連サービス業、娯楽業」が同27万人それぞれ減少した。
完全失業者数(同)は192万人と前年から18万人減少した。3カ月連続で減少した。求職理由別では「勤め先や事業の都合による離職」が3万人減少。「自発的な離職(自己都合)」は5万人の減少、「新たに求職」が2万人の減少となった。
これまで公衆衛生上の措置が対面型サービス消費に関連する雇用の下押しになってきたとみられており、総務省の担当者は、緊急事態宣言が解除された影響が今後どのように表れてくるのか注視したいとしている。
有効求人倍率、宣言解除を見越した動きも
9月の有効求人倍率は、前月から0.02ポイント上昇した。2020年6月以来の水準。厚労省の担当者によると、緊急事態宣言の解除を見越して人手を確保する動きがあったとみられる。ただコロナ感染拡大前は1.5─1.6倍台で推移していたことを踏まえると回復は鈍い。
ロイターの調査では1.14倍と予想されていた。
有効求人(季節調整値)は前月に比べて0.9%増、有効求職者数(同)は0.2%減だった。