新生フジ誕生から1年 山口社長が語る統合の道筋とは
持株会社の旧フジが、傘下のフジ・リテイリング、マックスバリュ西日本を吸収合併するかたちで経営統合し、2024年3月に設立されたフジ(広島県)。現在、中期経営計画のもと、新たな事業展開に向けた各種施策に取り組んでいる。
小売業界では合従連衡の動きが加速するが、中四国エリアを代表するリージョナルチェーンのトップとして、いかなる戦略で成長をめざすのか。山口普社長に聞いた。
系列化・集約化はさらに進んでいく
──新生フジが始動して約1年が経ちます。足元の経営環境をどう分析していますか。
山口 ( 旧マックスバリュ西日本との)統合作業は全体的には順調に進んでいますが、機能や業務によってはまだ完了していない部分もあります。とくにシステム部門や、事業エリアに点在する、地域に残った機能の統合が途上にあるので、スピードアップを図っているところです。
──小売業界はここにきて再編がいっそう加速しています。この動きをどう見ますか。
山口 直近ではカナダのコンビニエンスストア(CVS)大手によるセブン&アイ・ホールディングス(東京都)への買収提案、トライアルホールディングス(福岡県)の西友(東京都)買収など、ほんの5年前には想像もし得なかった出来事が現実として起こっています。
もっとも、小売の歴史を振り返ると、百貨店、総合スーパー(GMS)、食品スーパー(SM)、CVS、ドラッグストア、そしてディスカウントストアなど、新たな業態や企業が生まれては、旧来のプレイヤーが淘汰されるといったことの繰り返しでもありました。海外ではそうした栄枯盛衰がより顕著だったわけですが、それが日本にも波及しているのだと受け止めています。
──そのなかで、SM業界には今後どのような変化が生じていくでしょうか。
山口 SMの寡占化の度合いは諸外国や国内の他業態と比べてもいまだ低く、これから系列化、集約化がさらに進むはずです。消費者ニーズの多様化や、急速に進むインフレもその動きを促進させることになるでしょう。もはや、その流れに逆らうことはできません。

やまぐち・ひろし●1981年、松山商科大学(現 松山大学)経営学部卒業後、フジに入社。
2013年取締役上席執行役員管理本部長 兼 人事総務部長に就任。
14年フジ常務取締役常務執行役員管理本部長 兼 財務部長。
17年フジ代表取締役専務執行役員開発・管理担当 兼 財務部長就任を経て、
18年にフジ代表取締役社長に就任。マックスバリュ西日本との経営統合に伴い
フジ・リテイリング代表取締役社長を経て、
24年3月に新会社のフジ代表取締役社長に就任。
──商勢圏とする中四国エリアの状況と課題はどう捉えていますか。
山口 やはり高齢化と人口減少が深刻で、
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