ザラにH&M… ファストファッションが続々と古着市場に参入する理由
食品産業の協会組織であるFMIのレポートによると、2022年の世界の古着市場は712億2560万米ドル(約9兆9720億円)と推計される。ファストファッション市場とほぼ同じ、もしくは調査によっては同市場を上回る規模であり、ファッション業界の本流になりつつある。これまで成長の一途をたどってきた古着市場は、今後も32年まで平均年間成長率14.8%で伸長すると予測されている。
それほど成長が有望視される古着ビジネスに近年、世界的なアパレル企業が次々と乗り出している。
英国に本社を置くASOSは、900超のファッションブランドの商品を取り扱うECを多数の市場で運営する企業だ。同社は22年6月6日、古着のオンライン・マーケットプレイスを運営するスリフト・プラス(Thrift+:以下、スリフト)と提携し、再販プログラムの実験をスタートした。

その仕組みはこうだ。利用者はまずASOSのE Cサイトで「ASOS X Thrift+」の無料の袋を注文する。その袋に不要となった衣類を詰めてスリフトへ送ると、同社のマーケットプレイスで販売される。その売上はポイントで提供され、スリフトでの買物に利用するか、好みのチャリティに寄付することができる。
ASOSのような他社製品を扱う大手小売チェーンのほか、H&MやZARAといったSPA(製造小売業)でも同様の動きが広がっている。
ファストファッション大手のH&Mは
太田美和子のユーロトレンド の新着記事
-
2024/03/21
欧州で 再び 小商圏小型店の開発が進む理由とは -
2024/02/17
苦境に立つ欧州百貨店 手を差し伸べるタイのセントラルとは -
2024/01/20
英国でセインズベリーがアルディからシェアを奪取!その手法とは -
2023/12/06
ヨーロッパでも中華系EC が勢力拡大の理由と戦略 -
2023/11/06
経営資源を「そこに集中?」スペイン百貨店ECIの戦略とは -
2023/10/05
無人店舗も拡大中、CVS9000店を展開するポーランドの「ジャプカ」とは
この連載の一覧はこちら [40記事]
関連記事ランキング
- 2025-11-25ワコールを追い詰めた「三つの革命」
- 2025-12-02HUMAN MADE上場から考えるファッション産業の構造的限界
- 2025-11-06南アフリカ初の「ウォルマート」開業 英国の「アマゾンフレッシュ」閉鎖へ
- 2025-11-27急拡大するリカバリーウエア市場を攻略する
- 2024-09-17ゴールドウイン、脱ザ・ノース・フェイス依存めざす理由と新戦略の評価
- 2025-03-12ユニクロ以外、日本のほとんどのアパレルが儲からなくなった理由_過去反響シリーズ
- 2022-04-22ユナイテッドアローズ重松理名誉会長が語る、創業秘話とビームスを立ち上げた理由とは
- 2021-11-23ついに最終章!ユニクロのプレミアムブランド「+J」とは結局何だったのか?
- 2024-09-03アローズにビームス…セレクトショップの未来とめざすべき新ビジネスとは
- 2025-11-24間違いだらけのアパレルDX改革、根本から変えるべき「KPIの設計哲学」




前の記事
