中堅スーパーのサンベルクスがトップレベルの人時生産性を実現できた理由
サンベルクス(東京都/鈴木秀夫社長)が生産性の向上と社員の能力開発を目的に、社員育成プログラムとして「ベルクス大学」を開校する。2年前に「人時生産性向上プロジェクト」を発足し、直近では人時生産性(従業員1人が1時間働いた際に稼ぐ粗利益高)4850円を達成したという同社。サンベルクスは業界屈指の生産性をどのように実現しているのか。
2025年に売上高1000億円へ
「スーパーベルクス」の屋号で、東京、千葉、埼玉の1都2県に食品スーパー(SM)45店舗を展開するサンベルクス。「専門性追求型スーパーマーケット」を標榜する同社では、商品知識が豊富な社員が多く在籍しており、青果・鮮魚・精肉・総菜をはじめとした各部門が専門性を追求することで強い個性を発揮している。
サンベルクスでは、企業内での価値観共有とともに専門知識および技術の習得と組織のボトムアップ、経営幹部の育成などを目的に、社員育成プログラム「ベルクス大学」を開校。2023年2月22日、文教大学東京あだちキャンパス講堂にて同社の中堅幹部社員および文教大学大学生、一般大学生、関係者を招き、開校式が執り行われた。


開校式冒頭、文教大学の副学長・経営学部長の石塚浩氏が挨拶。その後、サンベルクス専務取締役の鈴木優喜朗氏が大学開校の主旨を発表した。
鈴木専務が大学開校の目的として挙げたのは
❶ロマンとビジョン、創業者が大事にするべき価値観を共有すること
❷競争優位性を理解し、強みを卓越させる(専門性)
❸業務に必要な専門知識・技術・能力の習得と組織のボトムアップ
❹日本一のテクノクラート(技術者集団)になる
❺次世代を担う経営幹部の育成
の5点だ。これを実現させることにより、経営理念にかかげる「食を通じ、お客さまの暮らしを豊かにすること。」をめざす考えだ。
同社の中期経営計画には、「25年の本格的な競争時代を迎える前に生産性を上げ、業界トップ水準の報酬を実現させ、優秀な人材がたくさん集まる会社となること。そのうえで、サンベルクスの強みを守りながら、本格的なマス・マーチャンダイジングシステムやJBP(ジョイント・ビジネス・プラン)・ECR(イフィシエント・コンシューマ・レスポンス)を実現させていきたい」と綴られている。その一環で2年前に立ち上げられたのが「人時生産性向上プロジェクト」だ。
同プロジェクトと今回開校した「ベルクス大学」を連携させ、組織の成長につなげることで、ビジョンに掲げる25年に売上高1000億円、40年に売上高2000億円の達成をめざす考えだ。
ベルクス大学開校式で鈴木社長が語ったこと
ベルクス大学とはどのようなものなのか。ベルクス大学では、
続きを読むには…
この記事は DCSオンライン会員(無料)、DCSオンライン+会員限定です。
会員登録後読むことができます。
DCSオンライン会員、DCSオンライン+会員の方はログインしてから閲覧ください。
DCS Report の新着記事
-
2025/03/15
欧米小売に学ぶ「包括的な売場づくり」の意義と手法とは -
2025/03/05
西友買収に名乗り出た3社をトップアナリスト、市場関係者が徹底評価!勝者は誰?_再掲 -
2025/03/04
人手不足対応に効果!「給与前払いサービス」が広がる理由 -
2025/03/04
遠方から1カ月分まとめ買いも ハラル対応スーパー「ボンゴバザール」急成長の理由 -
2025/02/19
40カ月連続で増収 ハードオフ、好調の理由 -
2025/02/18
SC開発に大異変!今年の国内新設数は史上最低の水準へ
この連載の一覧はこちら [274記事]
