14年で売上倍増、京都の高収益スーパー、生鮮市場!が強い理由

取材・文:森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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ローカルスーパー1280京都府に本部を置き、現在14店舗を展開するコスモコーポレーション。競合店には並ばない、おいしい商品を値ごろ価格で販売する方針で、激戦地においても強い競争力を発揮している。「大手とは真反対の、ローカルスーパーならではの効率で集客したい」(堀井徳人社長)という同社の戦略をレポートする。

13年間で売上高が約2倍

 コスモコーポレーションの会社設立は1990年。前身は鮮魚店で同年、新規事業として京都市内に売場面積100坪弱の食品スーパー(SM)を投じ、以来、徐々に店舗数を増やしてきた。

 現在、京都府京都市、同向日市、同宇治市に「新鮮激安市場!」13店舗など計14店舗を展開する。多くがファミリー層や若年層が流入するエリアに立地。売場面積は100~280坪と、最近のSMとしてはコンパクトな規模である。

新鮮激安市場!外観
売場面積は240坪とコンパクトながら、22億円の年商がある宇治店

コスモコーポレーション企業概要
本社所在地: 京都府向日市向日町南山37
代表者: 堀井徳人社長
売上高: 185億円(2024年5月期)
店舗数:14店舗

 商品政策は青果、精肉、鮮魚といった生鮮3品を強化。これら生鮮の売上高構成比(全店ベース)は約60%に上る。味、品質、産地にこだわった商品を値ごろな価格で販売する一方、購買頻度の高い加工食品、日配などは価格を訴求、EDLP(エブリデー・ロー・プライス)で提供し集客する。

 営業テーマとして「小商圏高占有率戦略」を掲げ、店舗を中心に半径500mの足元商圏のシェア率100%を目標としている。「地域の冷蔵庫」がわりに使ってもらえるようなSMをめざす。

 注目は、その成長スピードである。

 2010年5月期の売上高は89億円だったが、直近実績の24年5月期は185億円。この14年間で、事業規模を2倍以上にも拡大した計算になる。

 詳しく見ると、同期間で増えた店舗数はわずか3店のみ。つまり売上高増加分の多くが

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取材・文

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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